2011 Fiscal Year Annual Research Report
性犯罪に対する女子大生の防犯意識を阻害する要因の解明
Project/Area Number |
22530685
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Research Institution | Shigakkan University |
Principal Investigator |
笹竹 英穂 至学館大学, 健康科学部, 教授 (00319229)
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Keywords | 防犯意識 / 楽観主義バイアス / 女子大生 |
Research Abstract |
研究の目的 毎年約2000人以上の女性が強姦事件の被害者になり,心身に重大な傷を負っているにもかかわらず,女子大生の防犯意識は低い。性犯罪に対する女子大生の防犯意識はなぜ高まらないのか,その阻害要因を明らかにすることが研究の目的である。研究方法としては,犯罪被害の有無,楽観主義バイアス,抑うつなどの変数を入れて防犯意識にどのような影響を与えるのかを検討し,最終的にはどの要因がどのような経路で防犯意識に影響を与えるのかのモデルを構築することを試みることにする。 研究実施計画 これまで筆者はリスク認知,犯罪不安,犯罪情報への関心の変数を用いて,防犯意識の形成モデルの構築を試み,このモデルが犯罪被害の有無によってどのように異なるのかを明らかにした(笹竹,2008)。さらに防犯意識の形成の阻害要因のひとつとして,抑うつを取り上げ,このモデルが抑うつの高低によってどのように異なるのかについても明らかにした(笹竹,2010)。最終年度では,防犯意識と楽観主義バイアスとの関連を整理することを目的とする。具体的には,楽観主義バイアスの内容を,犯罪被害にあう確率と被害の程度の2種類に分類し,防犯意識との関連を明らかにすることと,性犯罪の被害の種類(罪種)と防犯意識の関連を明らかにすることである。防犯意識と楽観主義バイアスについては論文にして,学会誌に投稿中である。また性犯罪の種類としては,女子大生に近年多くみられるデートDVに焦点を当てて,関連を調べる予定である。なお本研究については,本学の倫理審査委員会に研究計画を提出し,承認を得る予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
データ分析に予定したよりも時間が必要であったことや、研究計画を修正する必要が生じたことから、やや研究が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで特に犯罪の種類を特定しないで実施してきたが、細かな分析をするためには犯罪を特定する必要が生じている。平成23年度に行った防犯意識と楽観主義バイアスの関連を調べた研究では、変質者に出会うという犯罪種類を取り上げた。最終年度ではデートDVを取り上げる予定である。これは最近の若者において問題となっているテーマであり、社会実装の点からも重要であると考えられるからである。
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