2012 Fiscal Year Annual Research Report
交通規則が持つ特性と道路利用者の受容意識に関する研究
Project/Area Number |
22530690
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Research Institution | National Research Institute of Police Science |
Principal Investigator |
矢野 伸裕 科学警察研究所, 交通科学部, 主任研究官 (30356224)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 交通規則(交通ルール) / 受容意識 / 規範 / 交通違反 / 社会心理学 / 交通心理学 |
Research Abstract |
平成23年度に実施した質問紙調査によって得られたデータに対し、交通モード(自動車、自転車、歩行)や交通規則の持つ特性に着目して多変量解析等の分析を行った。質問紙では、全体で53種の交通規則(自動車モード26種、自転車モード19種、歩行モード8種)に対し、遵守意図、規則の重要度、他者遵守度、違反の悪質さ、違反の危険度、遵守の煩わしさ、など11の評価項目の観点から回答者に評定を求めた。 受容意識の指標として重要度の評定に着目し、クラスター分析によって53種の交通規則を分類したところ、まず交通モード別に大クラスターを形成し、自動車と自転車のクラスター内ではさらに通行方法に関する規則のクラスターと運転の基本事項に関する規則のクラスターに分けられた。運転の基本事項に関する規則は通行方法に関する規則よりも重要度評定値が高い傾向がみられた。また、クラスター分析による回答者の分類結果と併せて検討すると、自動車モードと比べて自転車・歩行両モードの重要度を低く評定した特徴的な群が見いだされた。このように、交通モードや交通規則の持つ特性によって規則の受容意識が異なることが明らかになった。 重要度と遵守意図を受容意識の指標として目的変数とし、他の評価項目を説明変数として、各交通モードに共通の規則に関してロジスティック回帰分析を行ったところ、重要度では違反の危険度、社会規範意識度、違反の悪質さの影響が認められたが、遵守意図では違反の危険度などとともに他者遵守度や遵守の煩わしさの影響が認められた。また、交通モードや交通規則によっても影響項目にいくつかの違いがみられた。 各規則の受容意識に影響する要因には、共通のものと、各交通モードの日常の交通場面の中での位置づけや利用のされ方、各規則が対象とする交通行動の側面などによって異なって影響するものとがあるなど、多面的な影響構造が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)