2012 Fiscal Year Annual Research Report
子育て支援における社会的絆が親子の絆の変容と回復に与える影響
Project/Area Number |
22530692
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
庄司 一子 筑波大学, 人間系, 教授 (40206264)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中井 大介 郡山女子大学短期大学部, 幼児教育学科, 講師 (20550643)
都丸 けい子 聖徳大学, 心理・福祉学部, 講師 (40463822)
杉本 希映 目白大学, 人間学部, 講師 (90508045)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 子育て支援 / 社会的絆 / グループミーティング / 虐待不安 / 育児不安 / 親子関係 / 居場所 |
Research Abstract |
本研究は,育児に困難を抱える親を対象としたグループミーティングによる子育て支援を実施し,その効果を検討することを目的とする。特に育児に困難を抱える親が子育て支援グループミーティングに参加することによって生じる参加者間の「情緒的結びつき」「集団への所属意識」を「親子の絆」と対比させて「社会的絆」ととらえ,この「社会的絆」に焦点を当てて①参加による親の変化,②参加により予測される社会的絆の形成と質的検討,③社会的絆の親への影響,④親子関係の変化を検討し,親子関係をどう変容・回復させるかを明らかにすることを目的とした。 参加者総数は3年間で107名,月1回1年間ミーティングに参加し,事前事後の調査結果が得られた38名(平均年齢33.6歳,子ども数平均1.31人,平成24年度13名)のデータが分析にかけられた。質問紙は子ども観,虐待不安,育児不安,抑うつ尺度が用いられた。質問紙調査のほかミーティングでの親の発言の記録,参加者,保健師へのインタビューが実施された。 質問紙調査の主な結果として,調査内容のうち否定的感情(否定的子ども観,育児拒否感,充実感欠如)に有意な肯定的変化,変化の傾向が示された。継続的に参加した親のミーティングでの主な発言内容は,①安心・安全感,②感情の発散,③子どもや育児からの解放,④自己開示と自己の気づき・見つめなおし,⑤仲間の存在の気づき,⑥孤独からの解放, ⑦自己肯定感であり,居場所の機能と重なることが示された。これらの感情を経験する参加者は,子どもとの関わりの見つめ直し,肯定的発言や関わりの増加,夫や家族への感情の肯定的変化が示され,自立的になり,他者や子育て仲間との関わりの増加が示された。 これらの結果からグループミーティングにおける居場所感が社会的絆の形成において重要であり,社会的絆が親自身や家族関係にポジティブな影響を与える可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)