2012 Fiscal Year Annual Research Report
子どもの道徳的自律タイプの発達と心理的適応との関連
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22530693
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
首藤 敏元 埼玉大学, 教育学部, 教授 (30187504)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 道徳発達 / 精神的自律 / 青年期 / 親子葛藤 |
Research Abstract |
24年度は、大学生の親子の道徳的自律タイプと子の心理的適応との関連を調査し、3年間の成果として、青年期における道徳的自律の発達についてモデル化の検討を行った。 まず、大学生の親子を対象に、親と子の道徳的自律タイプとその内容、親子葛藤(内容と子の反抗タイプ)、親子コミュニケーション、および子の精神的健康を調査した。埼玉県と東京都の大学に通う大学1年生から4年生の親子、合計280名が調査に協力した。道徳的自律タイプは23年度と同様に、社会道徳的葛藤場面での「子どもの自由裁量権判断」「親権威の正当性判断」「理想とする解決方法」の質問から測定した。大学生の精神的健康の測定にはGHQ検査を用いた。その結果、22年度、23年度調査と同様に、大学生から見た地震の道徳的自律タイプは「統制不全型(自由奔放型)」「抑制自律型」「過剰抑制型」の3つに大別できることが分かった。親から見た大学生のタイプ根ほぼ同様の方に分けることができた。GHQからとらえた精神的健康は「統制不全型」がもっとも悪く、「抑制自律型」と「過剰抑制型」の間には有意差は認められなかった。また、「統制不全型」は親子コミュニケーションでの応答性は低く、親子葛藤における「嘘とごまかし」も多いことが分かった。「統制不全型」の親は親子葛藤において「あきらめる」事が多いこともわかった。 これらの結果は、過剰抑制が青年期の適応を弱めることを示唆した今までの青年心理学研究の結果とは反する。22~23年度調査において認められたように、青年期前期での「抑制型」と後期での「統制不全型」が発達的に連続していることが推察される。かつてのKohlberg理論における段階2.5が青年期に認められるという結果との連続性について考察した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)