2012 Fiscal Year Annual Research Report
複数ラベルが与えられる状況における子どもの語彙獲得メカニズム
Project/Area Number |
22530702
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
村瀬 俊樹 島根大学, 法文学部, 教授 (70210036)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 哲生 日本電信電話株式会社NTTコミュニケーション科学基礎研究所, 協創情報研究部, 研究主任 (30418545)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 語彙獲得 / 育児語 / 入力言語 / 1歳児 / 連合 / サウンドエフェクト / disambiguation |
Research Abstract |
14,20,27ヶ月児の母親54名を対象に、サウンドエフェクトなども育児語に含めて、全機能での育児語と成人語の併用割合を検討した。全機能での育児語と成人語の併用は、各月齢で32.5%~47.6%であり、ラベルとしての育児語と成人語の併用(8.5%~14.6%)よりも高い割合であった。母親は、育児語をラベルとしてばかりでなくサウンドエフェクトとしても多く用い、成人語と併用していると考えられる。育児語と成人語が提供される形態・統語的文脈を分析したところ、ラベルとしての育児語は、単独使用、繋辞・内容語が伴うことが多く、成人語との違いはなかった。ラベル以外の育児語は、単独も多いが、引用マーカーを伴うことも多かった。 複数ラベル提示状況での幼児の学習能力の検討に関して,昨年度はスイッチデザインによるハビチュエーション法を用いて,育児語と成人語の音韻形態を持つ2種類の新奇ラベルを1つの新奇対象に与えた時,16ヶ月児が育児語についてだけマッピングすることを示した。今年度は統制条件として成人語の音韻形態を持つ2ラベルを提示する実験を,12,16,19ヶ月児68名を対象に行った結果,12,16ヶ月児は両ラベルを学習しなかったのに対し,19ヶ月児は両ラベルを学習した。本結果から,成人語提示では19ヶ月まで学習が成立しないこと,また16ヶ月で音韻形態の特徴が学習可能性に影響を与えることが示された。 20ヶ月児がdisambiguationを示すのか検討した。成人語新奇ラベルを提示した時、20ヶ月児は、ラベル提示3秒後には名称未知対象を見るようになった。名称既知対象を2つ提示して育児語と成人語の既知語を与えた場合、20ヶ月児は育児語・成人語ともターゲットを見る傾向があった。以上の結果は、20ヶ月児が1つの対象に複数のラベルを連合しつつ、disambiguationを示すと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)