2011 Fiscal Year Annual Research Report
リーダーシップと集団効力感が学校組織の力量向上に及ぼす影響に関する心理学的研究
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22530703
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
渕上 克義 岡山大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (20202294)
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Keywords | リーダーシップ / 集団効力感 / 学校組織の力量 / コミットメント / 協働性 / ミドルリーダー / 文脈的業績 |
Research Abstract |
平成23年度の研究目的は、三つであった。第一は、近年のリーダーシップと集団効力感に関する研究動向について、リーダーの認知的視点からまとめることであった。第二は、学校組織における集団効力感とリーダーシップが組織として力量に及ぼす影響に関する調査研究成果をまとめて発表することであった。第三は、現実の学校の場を対象とした時系列的なアクション・リサーチ研究を行い、学校組織に協働や力量向上のために、ミドルリーダーのどのような働きかけが効果的であるのかについて、実証的に検討することであった。第一に関しては研究成果を、以下の論文や図書にまとめた。渕上克義 2012年 管理職の主体的で効果的リーダーシップ 古川久敬編集 先取り志向の組織心理学 有斐閣。鈴木薫・渕上克義 2012年これまでの養護教諭のコーディネーションに関する研究動向と今後の展望 日本養護教諭教育学会誌。第二については、日本教育心理学会第53回総会について、シンポジウム「学校の組織力向上に関する教育心理学的研究」を企画・立案し、話題提供も行った。さらに研究成果を以下の学会において発表した。渕上克義・杉本伸一・鎌田雅史 2011年 教師の協働性、対人的交流記憶が教職へのコミットメントに及ぼす影響.原康之・渕上克義 2011年 教員における文脈的業績に関する研究.日本教育心理学会第53回総会発表。渕上克義 2011年 スクールリーダーのアセスメント能力の改善に関する実証的研究 日本グループ・ダイナミックス学会第58回大会発表。第三については、ある小学校を対象にアクションリサーチ研究を行い、ミドルリーダーである主任の以下の四つの具体的な働きかけ、(1)教職員参画、(2)相互援助関係の構築、(3)仕事コミュニケーションの活性化、(4)価値の共有化が、学校組織の力量向上に有効であることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、文献研究、調査研究、アクションリサーチ的研究が進展しており、一定の研究結果が見出され、それらが研究成果として有機的に結びついていると考えられるため。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である平成24年度は、アクションリサーチ研究の分析を行い、得られた研究成果について学会で発表を行う。そして、三年間の研究成果をもとにしながら、的確なリーダーシップと狂死し勇断の効力感の高まりが、学校組織の力量向上にどのような影響をもたらすのかについて、まとめる予定である。
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