2012 Fiscal Year Annual Research Report
アスペルガー障害がしめす情動体験の問題と修整方法についての検討
Project/Area Number |
22530711
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
須田 治 首都大学東京, 人文科学研究科(研究院), 教授 (50132098)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本郷 一夫 東北大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (30173652)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 情動支援 / アスペルガー症候群 / 社会・情動発達 / 神経連携の問題 / 自閉症スペクトラム障害 / 緊張緩和 / アレキシサイミア / 自閉症スペクトラム指数 |
Research Abstract |
本研究の第一の目的は,アスペルガー症候群の青年・成人12人における(身体的に起こる)情動と(心理的に感じとれる)感情をとりあげて,神経連絡網の問題の可能性を視野に,それを緩和する支援実験を行った。 1)まずこの障害の人びとがどのようであるのかを記述するため,意識に顕在化された不安について不安尺度でとらえ,またアレキシサイミア傾向についてアレキシサイミア尺度でとらえている。その結果きわめて高い不安をもち感情の自己認識もよくないこと が示唆された。 2)自閉症スペクトラム指標(AQ尺度)とその不安の特徴とさらにはアレキシサイミア傾向との関係も最適尺度法で記述し,そこには自閉症傾向のもたらす注意のタイプが,具体的な不安のタイプとかアレキシサイミアのタイプとのかかわりが多変量解析で示めされた。 3)以上を前提として,高くなった不安や,緊張を緩和するため呼吸法をトリートメントとして行った。その変化を 手のひらの温度などを指標として,副交感系の活発化をとらえ,トリートメントの効果が見出された。以上の結果を,2012年10月に発達心理学会学術誌に投稿した。しかしその査読結果の質問にたいして,5月まで協議という結果を得ている。統計についての検討の結果,尺度の使用,データ解析と統計処理を含め問題はないことが分かったので,別なところでの研究の公開を検討している。なおこの間にサバチカル・リーブを活用して須田は,この研究結果について検討を進めてきた。その結果ニュージーランド,オーストラリアにおいては,筆者と同様の不安などからの自閉症スペクトラム障害の研究が進められていることが分かり,彼らは情動・感情的なものへの研究を進めていたことだけでなく,とくに本研究の結果では,緊張の緩和について生理的指標を並行して用いていることに好意的な関心と評価が寄せらたといえる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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