2010 Fiscal Year Annual Research Report
学生相談活動への情報技術(IT)導入に関わる調査研究
Project/Area Number |
22530716
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Research Institution | Iwaki Meisei University |
Principal Investigator |
林 洋一 いわき明星大学, 人文学部, 教授 (20145650)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富田 新 いわき明星大学, 人文学部, 教授 (90261560)
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Keywords | メール相談 / 相談技法の開発 |
Research Abstract |
近年、学生相談のニーズが増加するとともに、著しく多様化している。その原因の一つは、入学してくる学生の多様化にある。ことに、本学のような地方の私立大学は、高校時代の学力が相対的に低い学生も受け入れているが、彼らは必ずしも知的能力が低いわけでも努力が不足しているわけでもない。初等・中等教育段階で友人関係のトラブルを経験したり、いじめの被害を受けて不登校になったり、ADHD・アスペルガー障害などの発達障害に帰因する適応障害によって生じた心理的問題が背景にあるケースが少なくないのである。そのため、本学でも学生相談スタッフの増員、これらの学生の居場所としての「学生サロン」の設置を行っているが、増大・多様化する学生相談ニーズに追いつけない状況である。 そこで、学生が日常的に用いている情報機器を使い、メールを用いた学生相談システムを構築することを検討した。しかし、従来から用いられている対面相談の技法をそのままメール相談に用いることは難しい。したがって、初年度の研究では文献的な検討と平行して、学生の相談ニーズに関する質問紙調査を実施して結果を解析した。 そのデータから、予想通り情報端末としては携帯電話の利用率が最も高く、メールも頻繁に利用していたが、対面的学生相談のニーズはあまり高くはなかった。しかし、メール相談が利用できれば使ってみたいという者は対面相談希望者よりかなり多かったため、実験的な形でメール相談を開始し、運用のノウハウを開発する意義は十分にあると判断した。したがって、そのために必要な資料を収集し、メール相談の効用と限界について検討した。
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