2012 Fiscal Year Annual Research Report
家族との共同行為をとおして形成される幼児の食事のスクリプト
Project/Area Number |
22530718
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Research Institution | Bunkyo Gakuin University |
Principal Investigator |
上村 佳世子 文京学院大学, 人間学部, 教授 (70213395)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉澤 千夏 上越教育大学, 学校教育研究科(研究院), 准教授 (10352593)
加須屋 裕子 文京学院大学, 人間学部, 教授 (60296291)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 食事 / スクリプト / 共同行為 / ままごと遊び / 幼児 |
Research Abstract |
食事場面は、食べ物の概念、行為に伴うマナー、調理の手続き、他者との場面の共有など、多くの社会文化的な意味を含む場面と言える。本研究では、母子の家庭におけるままごと遊び場面と家族の食事場面の観察を通して、幼児の食事のスクリプトおよび食事概念の形成過程を明らかにすることを目的とした。観察開始時に12 ヶ月齢の子どもとその家族14 組を対象として家庭観察をおこなった。ままごとセットを用いて、母子に自由に遊んでもらいVTR 記録をとると同時に。対象児を含む家族の食事場面の撮影を依頼した。 ままごと遊び場面の母子相互行為の変化は18ヶ月時および36ヶ月時に示された。構成遊びは18ヶ月時からみられ、母親が主導的に関わることで双方的な相互行為が成立するようになった。24ヶ月時には言語能力が反映して、子どもから母への言語的応答や、「いただきます」などの形式的発話が多く出現するようになると同時に、母親との会話交換が観察されるようになった。さらに、36ヶ月時になると、子どもの自発的発話が増加して子どもが話題提供を担い、見立てた場面としてやりとりが長く続くようになり、母親は応答的、補助的に関わることが多くなった。 現実の食事場面では、どの月例でも母親主導の相互行為が展開された。24ヶ月時までは傍らに母親がついてことばをかけながら世話や介助をしていたのが、36ヶ月時になると子どもの食事はかなり自立が進み、母親も傍らで自身が平行して食事をとる形式になった。実際の場面は「食べる」ということが最優先になるため、新しい試みや子どもの主導性は制限されるため、ままごと遊びで経験したスクリプトが実際の食事に応用される部分もあることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)