2011 Fiscal Year Annual Research Report
認知症の精神症状に対する行動的介入療法プログラムの開発と検証に関する研究
Project/Area Number |
22530750
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
佐藤 順子 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 研究員 (90566233)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仲秋 秀太郎 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 研究員 (80315879)
辰巳 寛 愛知学院大学, 心身科学部, 講師 (70514058)
三村 將 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (00190728)
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Keywords | 認知症 / 精神症状 / 行動的介入療法 / 高次脳機能 / 非薬物療法 |
Research Abstract |
認知症の精神症状は、中核症状と比較して介護負担が重い。そこで、今研究では認知症患者の精神症状に対して、高い有効性が実証されている行動的介入療法のプログラム(米国のTeri & Logsdonらによる立案)を参考に、本邦の臨床の現状に応じた治療プログラムを開発し、オープントライアルおよび無作為割り付け対照試験(randomized controlled trial : RCT)を行い、その有効性を検証し、広く啓蒙活動をおこなうことを目的とする。平成23年度は行動的介入の治療プログラムを完成し、ケース研究を施行し、その結果をもとに欧米において高い有効性が実証された行動的介入療法のオープントライアルを開始した。 対象者は八事病院にて焦燥感の顕著なProbable AD(アルツハイマー病)7名とProbable DLB(レビー小体型認知症)4名の主介護者である。介護者向けマニュアルにそった行動的介入プログラムを、週に1回約2時間のセッションで12回おこなう。ロールプレイなどで介護者に技法を学んでもらい、自宅ではホームワークを行うように指導する。精神症状の評価尺度として治療開始前後にCohen-Mansfield Agitation Inventory(CMAI)とAgitation Behavior in Dementia Scale(ABID)により焦燥感を評価した。オープン研究は現在施行中であるが、ケース研究の結果などから、認知症の精神症状による問題行動は介護者の不適切な対応により生じている場合が多かった。したがって、適切な行動的介入療法の施行が有効であることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
行動的介入療法の評価尺後、治療プログラムを完成し、ケース研究も終了した。オープン研究も開始されている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、オープン研究を終了し、行動的介入療法の技法のワークショップなどを施行し、本研究で得られた成果を国内外学会や海外の学術論文にて発表し、国内外に本研究の意義と成果を発表する予定である。
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Research Products
(6 results)