2011 Fiscal Year Annual Research Report
がん患者の治療とその副作用に伴う心理的ストレスとQOLに関する臨床心理学的研究
Project/Area Number |
22530757
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
岩満 優美 北里大学, 医療系研究科, 教授 (00303769)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蔵並 勝 北里大学, 医学部, 講師 (80170075)
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Keywords | 心理的ストレス / がん治療 / QOL / 特性不安 / 感情抑制 / 緩和ケア / 化学療法 |
Research Abstract |
今年度は、がん患者の心理的ストレスとQOLについて以下の検討を行い、発表した。 (1)「手術後、特に化学療法を受けている乳がん患者の心理的ストレスについて、感情抑制要因および特性不安要因を中心に、量的および質的に分析した。その結果、感情を抑制する患者は表出する患者と比べて、また特性不安の高い患者は特性不安の低い患者と比べて抑うつや不安を抱きやすく、否定的感情を表出する傾向が高かった。これらの傾向は、手術後に限らず比較的一貫して見られる傾向であった(日本健康心理学会シンポジウム、日本心理学会第75回大会、第24回日本サイコオンコトジー学会総会、第27回日本ストレス学会総会にて発表)。 (2)「化学療法によるQOL、すなわち認知面の影響について、化学療法を受けている乳がん患者を対象に検討した。その結果、認知機能については化学療法より気分による影響のほうが大きいことが示唆された(神奈川県心身医学会総会にて発表)。 (3)「乳がん診断を受ける前の患者を対象に、遺伝要因に関する不安などについて調べた。その結果、乳がんの遺伝リスクについて言及した患者は、心配や不安を述べるだけでなく、乳がん罹患の可能性を考えた対処行動をとっていることがわかった(Familial Cancer 10(4):681-689)。 (4)緩和ケア病棟入院中の患者とその家族を対象に、入院前後の緩和ケア病棟に対する認識と印象の変化を質的に検討した。その結果、入院前に抱いていた緩和ケア病棟に対する印象が入院後には好意的な印象へと変化していた(緩和医療学 7(1):306-313)。 以上より、診断時から治療中、そして終末期にいたるまで、それぞれの時期についての心理的ストレスとQOLについて検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
化学療法を中心に、乳がん患者の心理的ストレスとQOLについて検討している。データもほぼ収集し終わっており、現在、データ分析を実施中である。今後はさらに必要なデータを収集し、これまで得られたデータ分析を実施し、学会発表および論文発表を行っていく。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、必要に応じてデータ収集を行い、これまでdられたデータ分析を実施し、学会発表および論文発表を行っていく。
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[Journal Article] Drug-induced akathisia as a cause of distress in spouse caregivers of cancer patients2011
Author(s)
Wada M, Ito H, Wada M, Wada T, Tada Y, Ishida M, Mizuno K, Shioi A, Narabayashi M, Iwamitsu Y, et al.
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Journal Title
Palliative and Supportive Care
Volume: 9
Pages: 209-212
Peer Reviewed
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