2012 Fiscal Year Annual Research Report
ポジティブ感情経験とストレッチングがうつ病および心臓血管疾患の予防に果たす役割
Project/Area Number |
22530780
|
Research Institution | University of East Asia |
Principal Investigator |
桾本 知子 東亜大学, 人間科学部, 教授 (80449909)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | ポジティブ感情 / 抑うつ / 心臓自律神経活動 / 呼吸筋ストレッチ / 改訂版感情誘発語視聴覚リスト(AAVWL-R) / 腹式呼吸 / 心臓血管疾患 |
Research Abstract |
ポジティブ感情経験と呼吸筋ストレッチングが抑うつと心臓自律神経活動に及ぼす影響を検討するために,平成24年度は実験を3つ行った。 まず, 平成23年度に作成した改訂版感情誘発語視聴覚提示リスト(AAVWL-R)を用いてポジティブ感情を実験的に喚起させた結果, 抑うつ群と非抑うつ群ともに心臓交感神経活動に変化は見られなかったが, 心臓副交感神経活動は亢進する傾向が示唆された。 次に, 腹式呼吸の継続実践(週1回×11回)が抑うつ者の課題遂行成績に及ぼす効果を検討した。 個別分析の結果, 抑うつ者においてのみ腹式呼吸のパフォーマンス改善効果が顕著に見られ, 抑うつ低減効果が示唆された。 また, 呼吸筋ストレッチによる効果について, 抑うつの有無による相違も含めて, 腹式呼吸との比較により検討した。 その結果, 呼吸筋ストレッチと腹式呼吸のいずれも1回の試行により, 心臓副交感神経活動が活性化するが, 抑うつ群ではその効果が小さい可能性が示された。 腹式呼吸とは異なり, 呼吸筋ストレッチは過呼吸を引き起こすリスクがないため, 有用性の高い方法であると言える。 平成25年度は, 呼吸筋ストレッチの継続実践(1日2回×2週間)による効果が抑うつ群と非抑うつ群で異なるかを検討した。 その結果,抑うつの有無にかかわらず, 呼吸筋ストレッチの継続実践により,気分はややポジティブになるが, 心臓自律神経活動への顕著な効果は見られなかった。 以上により, 実験的に喚起したポジティブ感情は持続時間が短いものの, 抑うつ者の心臓副交感神経活動を活性化させ, 呼吸筋ストレッチの継続実践がポジティブな気分を高める傾向が見られた。 ポジティブ感情経験と呼吸筋ストレッチの両方を継続することが, 抑うつ者の心臓血管疾患を予防し, 抑うつの低減につながると考えられる。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(3 results)