2010 Fiscal Year Annual Research Report
健康な食を育成するためのメディアリテラシー教育の基礎研究
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22530783
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Research Institution | The Japanese Red Cross Toyota College of Nursing |
Principal Investigator |
島井 哲志 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 教授 (30136973)
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Keywords | 食行動 / メディアリテラシー / 学校保健 / 健康リスク行動 |
Research Abstract |
国内外の最新の研究実践情報の収集としては、メディアが児童と青少年の食行動に及ぼす影響に関する文献を収集し展望した。Grabe(2008)のメタ分析の後に発表された、最新に研究成果についても検討し、国内外の研究動向を把握した。 次に、メディアリテラシーの測定と評価に関しては、南フロリダ大学のKevin Thompson教授の研究グループの開発したSATAQ(Sociocultural Attitudes Towards Appearance Questionnair)が、理論的にも妥当であり、また、最も広く使われていることを確認した。そこで、この日本版について検討し、妥当性の検討のために用いることのできる、身体不満尺度EDI-BDの短縮版を開発した(研究発表論文参照)。これを用いて、STAQの第3版の短縮版を開発した。これは、オリジナルの尺度と同じ構造をもち、高い内的信頼性を示し、関連する指標とも妥当な関係を示した。この結果については、現在、日本心身医学会の「心身医学」に投稿しており審査中である。 メディアリテラシーの形成に焦点をあてた食行動プログラムとしては、オーストラリアFlinders大学のMediaSmartプログラムが世界的に有名であるので、Flinders大学で開発者のDr.Simon Wilkshと情報交換を行い、日本におけるプログラム開発の可能性と、今後の課題について検討した。同時に、Sydney大学のGo! Girlsプログラムの情報を収集した。これらの一部が、The Borneo Post新聞の2010年10月6日に"Media literacy helps develop positive body image"という記事として紹介された。 また、日本の青少年向けのファッション雑誌の内容について、予備的に分析し、次年度の研究の準備を行った。現在、これらの検討の成果に基づいて、中学生を対象として、先に紹介したアセスメントと評価尺度を用いた、中学生の実態調査を準備中である。
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