2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22530791
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
時田 みどり お茶の水女子大学, 文教育学部, 非常勤講師 (40571112)
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Project Period (FY) |
2010-10-20 – 2013-03-31
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Keywords | 数量認知 / 心理物理学 / クロスモダリティ |
Research Abstract |
様々な動物種や、ヒトの乳幼児を対象とした数識別能力の検討が数多く行われ、動物や乳児においても、数表象システムnumber representation systemが備わっているとする議論が支持されるている.数表象システムによるし数処理の特性として,1)知覚的要因の効果を受けない、2)提示フォーマット(同時 vs.逐次)や感覚モダリティに依存しない、3)識別精度がウェーバーの法則に従う、といった点が主張されている.しかし、先行研究における行動データには、実験手続き上の問題点が指摘され、数表象システムの系統発生的連続性を証明する充分な検討がなされていない. 研究1では、同時・逐次の両提示フォーマットにおける知覚的連続量の効果を検討した.研究2では、研究1で示された知覚的連続量の効果が、練習に応じてどのように変化するのかを検討し、同時/逐次フォーマットにおける数の識別では,異なる学習過程が関与する可能性を示唆した.また、一方のフォーマットでの練習効果は、他方のフォーマットに転移しないことを示し、提示フォーマットごとに固有の処理過程が介在する可能性を示唆した.研究3では、熟達被験者を対象として、離散量処理における提示フォーマット固有システムの存在を検証した.同時/逐次フォーマットの両条件で、離散量の識別精度に差が示され,フォーマットごとに固有のシステムが介在する可能性が示唆された.さらに、聴覚及び視覚刺激を用い、対象物の数の識別における感覚モダリティの効果を検討し、感覚モダリティ固有のサブシステムが介在する可能性を示した. 一連の研究結果から、事象の“数”を抽出する過程の前段階に、入力時の提示フォーマットに固有の処理過程が存在することを示した.また、統計的効率分析を用いて離散量処理過程における内部ノイズを推定し、行動実験との一致を示してモデルの補強を行なった.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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