2011 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚電気活動からみた朝型夜型の差異と夜型化睡眠の高照度光照射による改善
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22530801
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
高橋 敏治 法政大学, 文学部, 教授 (10171505)
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Keywords | 皮膚電気活動 / 朝型夜型 / 睡眠 / 高照度 / 眠気 / 自律神経活動 / 心拍変動 / 概日リズム睡眠障害 |
Research Abstract |
1.研究の目的:朝型夜型という視点から、日本の学生に多い遅寝遅起きの夜型生活の改善のため、高照度光照射の導入を考える。平成23年度は朝型夜型タイプの生理心理的機能を自律神経系の問題から解明するために、アンケート調査を行い、さらにそのアンケート調査から実験参加者を募り、朝型夜型のMSLT検査による眠気、自律神経機能検査法として皮膚電気活動(EDA)と心電図R-R間隔のCD法を用いて、高照度光照射の効果を検討した。 2.アンケート調査:朝型・夜型質問紙、入眠感調査票、OSA睡眠調査票などで調査票をひき続き実施した。大学生339名(うち有効回答253名)で、朝型15名、中間型176名、夜型62名であった。夜型は、後退した生活リズムによって寝起きが悪く、カフェインの摂取頻度が高かった。一方、規則正しい朝型の生活リズムは心身の健康感と関連があることが示唆された。ロジスティック解析の結果、寝起きの悪さ、起床時刻の不規則さ、カフェインの摂取頻度の高さ、休日前の就寝時刻の遅延が、夜型と関連のある大きな影響要因として検出された。 3.実験室実験:上記質問紙調査に参加した4名(高照度光条件と両条件実施は3名)に、アクチグラフによる睡眠覚醒リズム、朝10時から2時間おきに20分間の多相性睡眠潜時検査、パフォーマンス検査、EDAと心拍変動R-Rインターバルよる自律神経検査を実施した。MSLTでは、高照度条件で眠気が減り(10.44±3.87vs14.84±4.66)、パフォーマンス検査の中では、より複雑な課題で高照度条件において効果が高いこと(数字加算課題では、正解率92.86±4.87vs92.67±5.06%に対し、論理課題では、89.41±10.04vs94.70±4.77%)が示唆された。ただ、夜型の参加者の募集が少なく、リクルートに工夫が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成23年度は、文学部教授会主任の仕事が入り、教授会・教学改革・各種の入試・自己点検など学務上の仕事が増えたため、研究遂行に時間を割くことが一時的に少なくなったためである。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度、上記の遅れの原因となった文学部教授会主任の仕事もはなれたため、研究遂行に時間を割くことが十分に可能となる。すでに研究方法・手順・準備などが十分揃い、遂行上の問題はほとんどない。ただ、アンケート調査の際に実験参加者の募集を行っているが、夜型の被験者の参加が非常に少ない。このため、謝金などの実験参加者のリクルート方法の検討、もしくは朝型夜型の区別方法の再検討を行なって、夜型の被験者の参加確保に努める予定である。
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Research Products
(7 results)