2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22530806
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
長谷川 良平 独立行政法人産業技術総合研究所, ヒューマンライフテクノロジー研究部門, 研究グループ長 (00392647)
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Keywords | 上丘 / ラット / 定位行動 / 意思決定 |
Research Abstract |
本年度は、上丘が意思決定モデル課題遂行に関与する可能性を検討するため、「上丘局所脳破壊による視覚弁別課題遂行および自発走行への影響」実験を行った。 難易度を設けた視覚弁別に基づく左右レバー選択課題をラットに訓練し、自由行動下での意思決定過程におけるラットの行動特性を抽出した。具体的には、視覚弁別に基づく左右レバー選択課題を学習したラットの上丘一側を破壊し、課題に関連した行動学的影響を調べた。課題学習後に予め埋め込んでいた電極を通じて微小電気刺激を行い誘発される行動を記述した後、同じ電極に直流通電を行うことで熱損傷個体を作成した。破壊の前後の課題遂行セッションで、正答率や反応時間などを比較した結果、難易度の低い課題条件では損傷後、成績は一時的に低下したもののその影響は数日以内に回復することが観察された。しかしながら、難易度が高い課題条件では損傷後、損傷と対側側の成績が大きく低下し回復することはなかった。反応時間については損傷前後で大きな差は観察されなかった。行動実験後の組織解析では、損傷を作成したすべての個体で上丘の一側が局所的に破壊されている事が確認された。 また、自発活動の指標とされる回転かご回し課題を行わせ、上丘を両側性に破壊した場合の自発活動に対する影響についても調べた。その結果、上丘前方部が損傷された場合には、回転かご走行量は増加傾向を示したが、上丘後方部を損傷した場合の回転かご走行量は変化しないか減少傾向を示すことが分かった。
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Research Products
(2 results)