2011 Fiscal Year Annual Research Report
実践的教育方法学としての戦前期教育心理学の領域固有性の確立過程
Project/Area Number |
22530810
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
坂西 友秀 埼玉大学, 教育学部, 教授 (30165063)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小谷野 邦子 茨城キリスト教大学, 文学部, 教授 (20162076)
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Keywords | 教育心理学 / 師範学校 / 満州 / 朝鮮 / 教科目 |
Research Abstract |
資料の質的・「歴史的」研究の継続(平成23年度) 「子どもに関する社会問題・教育課題」に関する研究(第1部)に加え、「教育学・教育心理学の研究論文・論考」に関する研究(第3部)を行った。前者に関しては、文部時報、明治・大正期新聞記事等、後者に関しては、「教育学研究」、「教育科学」心理学研究」を中心に論文の分析を行った。論文・論考の分析は、坂西(2005年、多賀出版)が行った論文内容の質的分析とカテゴリー整理法を用い、社会変化と教育心理学研究の推移を関連づけて進めた。韓国、中国、満州、東南アジアに関する教育心理学研究については、分析対象となる資料が国内に必ずしも十分にそろっているわけではない。韓国・中国については現地における資料の収集と聞き取りを併用しながら研究を進めた。中国に関しては、天津を中心に中国の近代化の過程を聞き取りをすることと資料館を視察することで若干の情報を得ることができた。社会心理学会で研究成果を発表した。また小谷野は主に満州に関する教育・教育心理の「展開過程」を紀要論文にまとめ、坂西は東アジア、とりわけ韓国における師範学校の成立と教育心理の内容を検討し、紀要にまとめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
戦前期の心理学研究については概ね把握でき、教育心理学が師範教育に浸透していく過程についても概要が明らかになってきた。中国や韓国における師範養育は日本国内の師範学校に準じる形で現地に導入されていった。海外調査も日本が大陸に進出した中心地域に近い天津の師範大学・南開大学を視察し、聞き取りをするこが有益な情報を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は最終年度に当たり、研究のとりまとめを行う。昨年は、大震災の影響があり、海外調査が困難であったが、今年度は台湾ないしは韓国における資料収集を進めたい。文献研究については、教育学と教育心理学の関連について分析することにより、教育心理学が師範教育において領域固有性を確立していく過程を全体として把握したい。最終的には学会発表及び学術論文・紀要論文等で公開する。
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Research Products
(3 results)