2013 Fiscal Year Annual Research Report
異文化をつないだ日・米の支援者たち―朝鮮人女子留学生への支援の形態に着目して
Project/Area Number |
22530815
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
太田 孝子 岐阜大学, 留学生センター, 教授 (00293580)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 異文化交流 / 留学生支援 / 内鮮融和 |
Research Abstract |
I.朝鮮から内地に留学した女子学生のために創設された東京YWCA「朝鮮女子学生寄宿舎(1940年4月開寮、1945年4月空襲にて焼失)が開寮されていた当時のYWCA総幹事加藤タカに関する資料等を収集、YWCAが戦時下どのような認識を持っていたのかという観点から分析し以下を把握した。加藤タカがYWCAの機関誌『女子青年界』へ寄稿した文章は計42編(1910年代23編、20年代6編、30年代7編、40年代6編)であるが、大きくアメリカ滞在中の記事、YWCA総幹事として書いた活動報告の2種類に分類することができる。①アメリカ滞在中の記事にはアメリカ人の気質、小学校の雰囲気、女性の地位、家族愛の深さ、外国人に対する姿勢などへの感銘が記されており、2年間に及ぶアメリカ滞在から多くの影響を受けたことが判明した。②1937年5月から6ヵ月間の世界YWCAでの働きを終えて帰国する途中香港に立ち寄った加藤タカは、現地のYWCAメンバーから日本軍の行動を激しく責められ、平和のための活動に携わる決意を固めたものの、帰国後間もなく日本の行動を是認、戦時協力を志向するようになり、報国団の練成会、有職婦人の研修会、勤労奉仕等の活動を行うようになる。「朝鮮女子学生寄宿舎」の運営に直接影響を及ぼしたわけではないが、同寄宿舎は戦争協力体制の中で開寮されていたことが分かった。 II.柳原吉兵衛は内地経験のない朝鮮人女子教員に内地視察の機会を与えるための支援を3回行ったが、『女教員内地学事視察録』(1927年)、『朝鮮女子教員内地視察記』(1929年、30年)を入手し、その行程、内容等を把握した。視察団の団長は帰国後教員となった内地留学経験者が務めており、柳原と卒業生との帰国後の交流実態の一部を把握できた。 III.奈良女子大学アジア・ジェンダー文化学研究センターに協力し、奈良女子高等師範学校に留学した朝鮮人女子学生55名の一覧表を完成させた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)