2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22530817
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 耕治 京都大学, 教育学研究科, 教授 (10135494)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西岡 加名恵 京都大学, 教育学研究科, 准教授 (20322266)
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Keywords | 活用 / 授業づくり / パフォーマンス評価 / ルーブリック / 思考力・判断力・表現力 / 中国 / アメリカ合衆国 / 実践事例 |
Research Abstract |
本研究の目的は、新学習指導要領で重視されている「活用」を促進するために、思考力・判断力・表現力等の発達を捉える評価規準(ルーブリック)や評価方法(パフォーマンス評価)を開発するとともに、それらの力を育成する授業の在り方を明らかにすることにある。本年度は、以下のように研究を進めた。 (1)諸外国における教育評価と授業づくりに関する調査 (1)中国北京市上地小学校を訪問し、単元「除法の筆算」の授業観察を行った。さらに同小学校の教師とともに、事前に用意した日本の実践事例と比較検討する研究会を開催した。(2)米国における教育評価研究と授業への影響について、各教科におけるパフォーマンス評価に関する文献を調査した。(3)韓国およびヨーロッパ諸国の教育評価に関する現状と研究動向を、文献により調査した。 (2)先進実践事例の国内調査 「活用」する力の育成に重点をおいて研究開発を進めている香川大学教育学部附属高松小学校を訪問して授業観察を行い、授業においてどのように教育評価が活かされているかを分析・議論した。また、パフォーマンス評価の実践を進めている全国各地の教員に対し、評価に関わる取り組みや議論についてインタビュー調査を行った成果を著書として出版した。 (3)活用の授業づくり 京都市立高倉小学校、香川大学附属高松小学校(以下、高松小)などにおける共同研究を、教育評価の改善と「活用」する力を育む授業づくりとの結合に焦点をあてて継続・発展させた。学校との共同授業研究においてパフォーマンス課題を取り入れた授業に継続的に取り組み、子どもの学習成果の実例と対応させながら評価規準を吟味していくとともに、授業づくりの改善がどのような子どもの変化としてあらわれるかを見取った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
国内外における「活用」する力を育成する授業の在り方に関する研究を計画の通りに遂行しただけでなく、その成果を、13.研究発表に示した『パフォーマンス評価-思考力・判断力・表現力を育む授業づくり』『パフォーマンス評価入門「真正の評価」論からの提案』という2冊の著書の出版に結実したため。
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Strategy for Future Research Activity |
「研究実績の概要」欄で記した3つの研究を以下のように進め、最終報告書にまとめる。 (1)諸外国における教育評価と授業づくりに関する調査(1)(中国)授業づくりの相違を比較調査する。(2)(米国)「逆向き設計」論を活用する学区に訪問調査する、(3)(オランダ)PISAの枠組みの成果と課題を調査する。 (2)先進実践事例の国内調査(1)高松小を訪問し、教育評価の改革に伴う授業の変化を調査・分析する。(2)先進実践事例に関する文献や資料を収集-分析し、評価改革の傾向と課題を分析する。 (3)活用の授業づくりフィールドとの共同研究を継続・発展させる。具体的には、パフォーマンス評価を導入した単元構想の開発、開発済みのパフォーマンス評価の課題や評価規準の活用方法を検討する。
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Research Products
(17 results)