2010 Fiscal Year Annual Research Report
音楽教育を通しての「市民形成」の現状と社会的紐帯の再生-日仏比較を通して-
Project/Area Number |
22530829
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Research Institution | Kagawa Nutrition University |
Principal Investigator |
水崎 富美 女子栄養大学, 栄養学部, 准教授 (40510136)
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Keywords | 教育学 / 文化政策学 / 芸術諸学 / 西洋史 / 美学 |
Research Abstract |
研究の目的と意義 本研究では日仏の音楽教育システムの比較研究によって日本の音楽教育を通しての市民の形成の政策・実践の課題を現地調査・インタビュー・文献調査・統計資料分析の手法を用いて検討する。 具体的な研究目的は以下の3つである。 研究目的1. フランスの学校内外の音楽教育システムを市民形成の視点から総合的に検討。 研究目的2. 日本の学校内外の音楽教育システムを市民形域の視点から総合的に検討。 研究目的3. グローバル化社会における音楽教育を通しての日仏の市民形成のあり方の比較を歴史的・美学的・統計的・社会経済的アプローチによって行い、日本の音楽教育激策・教育実践両レヴェルの課題を具体的に提起。 日本の学校内の音楽教育が、きめ細やがこ実施されるのに対して、フランスでは、学校内のそれは、文化大国でありながら充実してはいないが、学校外の市民形成における音楽教育システムが形成され、教育方法も極めて多様であること、日仏の国家と自治体・市場の関係の大きな相違が予算面・理念面で具体的に明らかになる。その意義は、グローバ化社会における国家と市場・教育のあり方が、日仏の国家・文化・教育・学校観の違いとして明確となり、日本の現実に即した「市民形成」の音楽政策・実践課題を具体的に提言することができる点である。 22年度はフランスの学校施設関連の調査、社会教育施設の音楽講座、音楽実践の目標、方法、教師に実態に関して、資料分析およびパリ市文化局、アソシアシオンを対象に現地調査によっておこない研究を進めた。また、パリ市近郊にある「青年と文化の家」の現地調査をおこない管理運営システムと実践状況を明らかにした。それによって自治体とアソシアシオンの関係の考察を進めることができた。
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