2011 Fiscal Year Annual Research Report
社会教育の理論および実践におけるインフォーマル教育の位置に関する研究
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22530846
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Research Institution | Miyagi University of Education |
Principal Investigator |
梨本 雄太郎 宮城教育大学, 教育学研究科, 教授 (80292803)
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Keywords | 社会教育 / informal教育 / 成人学習 |
Research Abstract |
3年間の研究期間の2年目となる平成23年度は、前年度の研究成果をさらに深め、インフォーマル教育の基本原理と、教育以外の領域と教育との接続のあり方を中心に研究活動をおこなった。 まず、Alan Rogers,Non-formal Education:Flexible Schooling or Participatory Education ?(Comparative Education Research Centre , The University of Hong Kong,2004)を検討することによって、前年度に整理したフォーマル/ノンフォーマル/インフォーマルの3領域の関係について、さらに明確に把握することができた。 インフォーマル教育の基本原理については、Linda Deer Richardson and Mary Wolfe (eds.),Principles and Practice of Informal Education: Learning through Life (Routledge Falmar,2001)、Tony Jeffs and Mark K. Smith, Informal Education: Conversation, Democracy and Learning (EducationalHeretics Press, revised edution 2005)を中心に検討を行った。両者に共通するのは、学習者との対話を重視し、流れに応じた柔軟な対応を重視する視点であり、インフォーマルおよびノンフォーマル教育に携わるスタッフの役割を再確認することができた。 このほか、教育以外のさまざまな領域の文献の検討をつうじて、NPO・企業などの社会集団の活動や市民主体の政治過程の中に存在する多様な学びと、それらの学びを創出し促進するための多様なしくみをどのようにとらえるか、理論的な枠組みを整理することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成23年3月に発生した東日本大震災により研究環境に被害を受けるとともに、他の職務との関連で研究時間の確保に影響が生じたため。
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Strategy for Future Research Activity |
前記11で述べた事情により研究活動の進展は当初の予定より遅れているが、発表・公開に至っていない研究成果の蓄積は着実に進んでいる。研究テーマの一部を縮小しつつ、研究期間の最終年度となる平成24年度にこれまでの成果をとりまとめ、発表・公開する予定である。
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