学校における「道徳」と「特別活動」の連携・協働体制に関する実証的研究

2010 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 22530854
• Research Institution: Shinshu University
• Principal Investigator: 越智 康詞 信州大学, 教育学部, 教授 (80242105)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 山口 恒夫 信州大学, 教育学部, 教授 (60115384) ; 山口 美和 信州大学, 上田女子短期大学, 講師 (80465856)
• Keywords: 特別活動 / 道徳教育 / 組織 / 実践知 / 協働

Research Abstract

小・中学校における学習指導要領上の領域としての「道徳」と「特別活動」は、学校でどのように実践され、どのような成果を挙げているのか。これらのカリキュラムは、カリキュラムの観点はもちろん、学校経営の観点からも、教育の根幹にかかわる大きな可能性をもつ重要な活動である。しかしながら、これらの活動は他の教科や活動と相互に連絡なく断片的に実施され、とりわけ児童生徒間、教師-児童生徒間、教師。保護者間、あるいは各教師間の組織的な「合意形成」を目指すという観点が欠落している。「道徳」や「特別活動」が上滑りの実践しかできないのは、こうした断片化に大きな要因がある。本研究では、こうした問題設定=仮説のもと、教師は「道徳」や「特別活動」に対して、どのような意識をもってどのように取り組んでいるのか、彼らの活動を枠づける形式(暗黙の実践知や組織体制)はどのようなものなのか、現状を打破する方法は何かを探求することを目的とする。そのため、「道徳」「特別活動」の二領域が、各学校において教育課程の運営上どのように取り組まれているかについて質的観点、量的観点の双方から実態を調査し、望ましい道徳教育と特別活動の連携のあり方について理論的検討を進めるという全体計画をもつ。平成22年度においては、量的調査の前提として質的調査と資料分析を行った。具体的には、(1)教職員がどのように連携を取り合っているのかについての現状を探るべく、長野県内の教員を対象としたヒアリング(聞き取り調査)や教員の授業実践の参観を行う一方、(2)道徳に関する実践記録やテクスト等についての資料を幅広く収集し、「道徳」と「特別活動」のカリキュラム経営上及び学校経営上の問題点について検討を行った。