2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22530856
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
荒井 文昭 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (40244404)
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Keywords | 教育政治 / 教育管理職 / 地方分権 / 人事行政 |
Research Abstract |
分権改革下における教育管理職人事行政の研究を、愛知県を事例としてすすめるために、2010年度は、愛知県における教育管理職人事行政に関連する先行研究を収集し検討をすすめると同時に、三河地域の教育(特に岡崎市とその近隣自治体)に調査対象を絞りながらその教育管理職人事行政に関する資料の渉猟と検討をすすめた。 その結果、基礎的自治体に固有というべき特徴的な教育理念を開校以来維持させているA中学校の事例に焦点をあてながら、その理念を維持させている教育管理職人事行政の動態が本研究の焦点として設定されるべきことであることが浮上してきた。そして、この岡崎市におけるA中学校の教育管理職人事行政のあり方を分析するためには、その運用の基本的な構造が形成されたと考えられる1950年代における愛知における教育管理職人事行政のあり方が明らかにされる必要があることが焦点化されてきている。 この1950年代は、教育の地方分権を含む戦後教育改革の理念が再中央集権化に向けて転換していった時代とされているが、愛知県三河地域においては戦後教育改革の初期段階からすでに1950年代半ば以降に起こった転換政策の基礎が形成されていた可能性がみられるのであり、この時期に形成されていく教育管理職人事行政のあり方が、その後の三河地域における教育政治の土台となっている可能性がある示唆を得られた。 岡崎市は2003年4月1日から中核市に移行しており、地方分権が教育行政のあり方にどのような影響を与えていくことになるのか注目すべき自治体の一つとなっている。引き続き、分権改革下における教育管理職人事行政の研究を、愛知県を事例としてすすめていく。
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Research Products
(2 results)