2011 Fiscal Year Annual Research Report
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22530873
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Research Institution | Sendai University |
Principal Investigator |
佐藤 幹男 仙台大学, 体育学部, 教授 (30142904)
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Keywords | 教員養成評価 / アクレディテーション / 台湾 / 大学評価 / 教師教育 |
Research Abstract |
2011年度は、前年度に引き続き、近年の台湾における高等教育政策全般及び教員養成政策の動向、大学評価、教員養成評価に関する基礎資料の収集を実施した他、台北、台南、高雄、台東の各市の大学において現状調査を実施した。 台湾では、2005年の「大学法」改正、2007年の「大学評価弁法」の施行以後、教育、研究、サービス、学生補導、校務、学生参加等に関する大学の自己評価、定期的な第三者評価が開始され、高等教育評価センターによる5年ごとの大学評価が始まっている。この大学評価制度のスタートにより、教員養成の学科や教職課程センターも、「学科・大学院評価(分野別評価)」、「校務評価(全学的評価)」、「教員養成機関評価(教員養成を行っている学科、教職課程センターの評価)」の三種類の評価を受けることとなった。この中の「教員養成機関評価(教員養成を行っている学科、教職課程センターの評価)」が、今回の研究で注目している評価である。質の向上と淘汰を評価の目的とし、評価の方法に実地訪問を取り入れ、評価基準、指標、評価結果はすべて公開、結果は三段階で表示され、第二段階の評価を受けた場合、学生定員30%(スタート時は20%)削減、最低の評価を受けた場合は翌年度に閉鎖という厳しい処分を下されるこの評価制度は、どのように進められ、どのように受け止められているのか。少子化の衝撃もあって教員養成機関の競争が厳しさを増し、自主的に教職課程センターを閉鎖する大学も出はじめる中、政府による教員養成の需要と供給をコントロールする仕組みづくりが着々と精力的に進められている。韓国でも台湾と同様な教員養成機関の評価が行われ始めている。台湾の取り組みは世界の改革動向も参照している。こうした台湾をはじめとする動向は、今後の日本の教員養成評価のあり方にどのようなインパクトを与えるのであろうか。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
制度を発足させた政策の背景、制度の内容等、評価制度の概要はほぼ把握できている。 また、評価を受けた大学の事例も調査できている。
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Strategy for Future Research Activity |
台湾における教員養成評価の調査、研究を遂行する過程で、韓国で、つい最近に実施された教員養成機関評価と共通する点が多いことが判明した。今後は、韓国をはじめとするアジアやヨーロッパ、アメリカ等の諸国における教員養成評価の動向にも注意をはらいつつ、検討を進めたい。
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