2012 Fiscal Year Annual Research Report
日英高等教育機関における学生支援に資する大学機関研究(IR)の基礎的研究
Project/Area Number |
22530881
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
沖 清豪 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (70267433)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | イギリス / IR / 学生支援 / 学生ユニオン |
Research Abstract |
本研究は、イギリスにおける学生支援やIRの実態を訪問調査など各種のアプローチを採用することを通じて、学生支援の現状とそこに大学当局がどのように関与し、IRなど機関内のデータ収集と分析、政策立案を実施しているのかを明らかにすることによって、最終的には日本国内で大学管理・運営部局で急速に関心が高まっている高等教育機関研究(Institutional Research,IR)の本来的な理念と実態とを再検証し、日本国内におけるIR概念の「濫用」に関する問題点を検証することを目指した。 最終年度は日英高等教育における学生支援の大きな違いとなっている学生ユニオンに注目して訪問およびメールを活用した小規模なアンケート調査を実施し、その実態と特質を踏まえて学生支援の全体像を検証した。その結果、大学当局が機関として提供している学生支援システムが存在しつつ、大学が運営資金等の一部を負担しつつ、基本的には自立した組織である学生ユニオンが学生の生活や学習環境支援において重要な役割を果たしていること、中央行政レベルでも個別大学レベルでも学生ユニオンの代表者が大学の運営の一端に関与する場合があることを確認した。 総合的にみると、特にイギリスの新(1992年以降)大学では学習・学修支援の軸となる学習支援(開発)センターなどが設置され学生支援改善を実施する傾向がある一方、大学全体としては規模の大小があるものの、学生ユニオンやユニオンが選出するクラス代表が学生のニーズを取りまとめて大学側に提起していくという循環的なシステムが構築されていることが確認された。 なお日本の状況をみると、当該研究期間内で中教審における議論やいくつもの大学における実践の蓄積を通じて、教学マネジメントないし教学IRという概念が一定の広がりをもつものとなってきており、当初課題とした「濫用」状況は一定の収束を見ているものと判断される。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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