2012 Fiscal Year Annual Research Report
保育における子ども同士の同僚性の形成のためのカリキュラム構築
Project/Area Number |
22530882
|
Research Institution | Shiraume Gakuen University |
Principal Investigator |
無藤 隆 白梅学園大学, 子ども学部, 教授 (40111562)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
砂上 史子 千葉大学, 教育学部, 准教授 (60333704)
松嵜 洋子 埼玉学園大学, 人間学部, 教授 (90331511)
岸野 麻衣 福井大学, 教育学研究科, 准教授 (80452126)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 幼児教育 / 保育 |
Research Abstract |
この3年間、協同的な学び、製作活動、クラスでの発表場面、運動遊びなどに分けて、そこでの子ども同士の「同僚性」すなわち子どもが共同の目的を志向して協力しあう過程を検討したが、特に最終年度は、これまでの観察・分析を継続すると共に理論的まとめとカリキュラムへの提案へと発展させた。協同的な学びの活動の過程について、幼稚園での協同的な学びの活動のビデオ観察資料の分析を継続させ、理論的に整理した。その結果、子どもからの目的の設定、設計図の作成、製作と目標の往復、メインの発表、反省などの一連の過程とそこでの協同活動を知覚的・動作的・言語的に分けてとらえた。そこでの保育者の支援のあり方はかなり立ち入ったものであると同時に子どもの主体的な関わりを引き出そうとする微妙なものであることが分かってきた。製作活動において、観察記録に基づき幼稚園教諭と共に検討しそこでの子ども同士のやりとりと保育者の援助がものをめぐって展開することを示した。発表場面について、年齢による違いを明らかにし、3歳児はひとまとまりの集団になるようにする工夫と皆という情動的つながり、4歳児は実演したり皆で行うなどして身体的な共有とそれに基づく話し合い、5歳児は具体的な物を媒介しつつ言葉でのやりとりが中心になっており、物や身体的活動に支えられつつ言葉の働きが大きくなることを示した。運動遊びについて、運動遊びプログラムを実施する中で運動能力を測定する場面での子どもの取り組む姿勢を検討した。積極的に取り組む子どもはどの場面でも積極的であった。また、仲間同士の認め合いや協力が同じ場での運動を通して見ることが出来て、応援するとかコツを教え合うなどの姿が見られた。ルールを守って遊ぶ意識が強くなった。さらに小学校への接続カリキュラムとしてその基本を提示し、学びの芽生えが目的志向活動を通して発展する様子をカリキュラムの原則として提示した。
|