2011 Fiscal Year Annual Research Report
保育園の園内研修を保育の質という観点から分析する研究
Project/Area Number |
22530883
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Research Institution | Shiraume Gakuen University |
Principal Investigator |
松永 静子 白梅学園大学, 子ども学部, 准教授 (70551563)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
汐見 稔幸 白梅学園大学, 子ども学部, 教授 (70146752)
杉山 貴洋 白梅学園大学, 子ども学部, 准教授 (10277709)
村上 博文 富士常葉大学, 保育学部, 講師 (30612139)
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Keywords | 保育所 / 園内研修 / 保育の質 |
Research Abstract |
平成23年度は、昨年に引き続き保育園の園内研修を「保育の質」という観点から検討するために、アクションリサーチ的に協力園の研修に参加した。 交流型研修を取り入れる園は、前年までは1つであったが、今年度は新たにもう1つ加わった。交流型研修では、いかに早くお互いの保育をビデオによって交換して視聴しあうかということが重要であり、その点を意識して研修の迅速化に取り組んだ。HPによる視聴交換は、ネット上の問題もあり困難な点もみられた。しかし共通のテーマを掲げる園同士によるビデオ交換は、両園にとって自らの保育を振り返るうえで重要な刺激になったようである。 また交流型ではないが、ビデオを取り入れた研修が新たに2園増えた。ビデオを取り入れた振り返りによる研修の有効性は、これまでも確かめられてきた。そのなかで研修を可能にするには、園の体制が重要であることが改めてわかった。とりわけ園長の研修を進めるうえでどのような位置を占め、またどんな役割を果たすのか、さらに研修に対してどのような認識をもっているのかが、研修の質に大きく影響していることが判明しつつある。 さらにエピソード記述を用いた保育園の研修は、3年目に入った。エピソードとの出会い、記述、発表のいずれにもおいても昨年に比べて質が高まっている。例えば記述されたエピソードはより具体的であり、その場面が生き生きと想像できるようになっており、また発表の語りも同様な性格をもつようになってきている。 いずれのスタイルの研修でも、保育を振り返る契機となり、それが保育の質を高めることにつながる可能性を秘めていることがより明らかになってきている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究開始2年目として、研究協力園における園内研修におけるビデオ観察等をはじめ、アクションリサーチ的な手法によるデータ収集が確実に進んでいる。また協力園も新たに増え、研究も広がりつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、2年間にわたるアクションリサーチ的な研究をふまえ、いよいよ研究成果をまとめる作業としてDVD制作にとりかかる予定である。またこれまで同様に園内研修に参加してデータを収集し、これまでのデータに加えて研修が保育の質にどのような影響をあたえているのかについて分析、そして考察をしていく。協力園では様々なスタイルがとられているがゆえに、スタイルによる特徴にも注目し、研修の効果を検討していく。
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Research Products
(1 results)