2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22530889
|
Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
日浦 直美 関西学院大学, 教育学部, 教授 (80181056)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今津屋 直子 関西学院大学, 教育学部, 教授 (70309441)
|
Keywords | 幼児 / 共食 / 人間関係 / 保育者 / 援助 / 食育 / 小学校 / 給食 |
Research Abstract |
本研究は、就学前教育・保育施設における共食が、他者への共感や連帯感をもつ機会としてどのように機能しているか、幼児期の共食と人間関係の育ちに関する教育的意義を把握し、共食時の保育者の援助の指標を検討して、保育者養成や現職教育に活かすことを目的としている。 平成23年度は、家庭外の集団生活における共食場面で、幼稚園教諭や小学校教諭が子どもにどのように意図的なかかわりをしているのかを把握することを目的とした実態調査について、幼稚園教諭については、昨年度実施した調査結果の分析を行い、国内の学会で発表した。また、小学校教諭については、実態調査を実施した。具体的には、以下である。 1.兵庫県下の全公・私立幼稚園の5歳児担当保育者を対象とした幼稚園での食育および共食時の援助に関する実態調査結果について、特に食育の実施状況と共食時の保育者の援助についてまとめ、和洋女子大学(千葉県)で開催された日本家政学会第63回大会で発表した。 2.兵庫県下の全小学校の1年生クラス担任を対象とした小学校での食育および給食時の指導に関する実態調査を実施した。なお、本調査結果の分析と考察については、2012年5月に開催される日本家政学会第64回大会で発表予定である。 上述の実態調査は、本研究目的の遂行上、就学前教育・保育の内容と就学後の小学校教育の内容とがいかに連携しているか、その実態と課題を知るために必要かつ重要な資料を提供するものである。また、学会発表は、関係領域の研究者との情報交換の機会となり、研究の深化のために非常に有意義であった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
幼稚園と保育所をフィールドにした参与観察を通して、共食時における保育者の援助に関する質的研究を行う計画を立て、その準備として、本年度は、研究分担者と月に1度程度の頻度で、質的研究に関する研究会を開催し、研究計画を詳細に詰め、プレスタディを実施する予定にしていた。しかし、小学校教諭を対象とした質問紙による量的調査の実施のために時間を要し、当初の計画を先送りにせざるをえなくなった。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成24(2012)年度に、当該年度の研究計画として予定していた量的調査に加え、本年度実施することができなかった幼稚園と保育所をフィールドとした参与観察に着手し、データを集積して、分析と考察を行う予定である。 研究活動が円滑に行えるよう、フィールドとなる幼稚園・保育所と充分な打ち合わせを行った上で、参与観察を実施する。また、データ分析のためには多くの時間が必要なため、研究分担者と研究計画の調整を行う。 加えて、これまでの調査データを基にして、 (1)就学前教育・保育における食育の実態と課題 (2)就学前教育・保育の場における共食と子どもの人間関係の育ちへの援助 (3)保育所・幼稚園・小学校の連携を視点とした共食時の保育者の援助の指標の検討 について論文にまとめ、学会誌に投稿予定である。
|
Research Products
(1 results)