2012 Fiscal Year Annual Research Report
感情労働としての保育に関する研究-保育者としての成長と保育の質向上の観点から-
Project/Area Number |
22530892
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Research Institution | Wayo Women's University |
Principal Investigator |
太田 光洋 和洋女子大学, 人間・社会学系, 教授 (60248664)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
那須 信樹 中村学園大学短期大学部, 幼児保育学科, 教授 (60300456)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 感情労働 / 感情ワーク / 保育者の成長 / 保育実習生 / 新任保育者 / 保育の質 |
Research Abstract |
前年度までの調査研究結果をふまえ、幼稚園、保育所、地域子育て支援に従事する保育者、管理職、保育学生(実習生)を対象としたインタビュー調査を継続してデータを蓄積し、補足データを収集した。また、質問紙調査を保育者の経験年数、地域、保育学生等、対象を拡大して実施した。インタビュー調査では、保育者の多くが同僚に対してなんらかの感情ワークを行っており、それが職業遂行上の負担になっていることが裏付けられた。保育者においては、前年までの研究結果同様、保育者間および管理職との関係のあり方に難しさを感じているが、これらの問題が改善されたケースでは園内研修や管理職による同僚関係への言及、時間管理のほか、それぞれの仕事内容や役割の明確化によって改善されていることが明らかになった。また、保育実習生においても同様の傾向が認められ、指導保育者の目を非常に気にしており、必要以上に緊張感が高くなっている実態が明らかになった。実習生においては、実習での課題を明確に位置づけ、それを指導する保育者らが意識して指導している場合、学生の感情ワークが軽減されていると推測された。そのため、実習指導の段階ではその学習内容を明示し養成校と指導する保育現場がそれを共有することで改善が図られると考えられる。感情労働という観点から考えた場合、感情を意識し、対象化することによって保育全体の改善が図られると期待できるが、感情そのものを対象化するのではなく、保育所や幼稚園といった場が持っている状況を改善することで、必要以上に感情が入り込む余地がなくなり、本来の役割に専念できる可能性があることが示唆された。この具体的方策を、事例から抽出しさらに吟味していくことが今後の課題である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)