2012 Fiscal Year Annual Research Report
地方ノンエリート青年の社会的自立と進路指導・キャリア教育の改善に関する研究
Project/Area Number |
22530904
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
浅川 和幸 北海道大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (30250400)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | キャリア教育 / 進路指導 / ノンエリート青年 / 社会的自立 |
Research Abstract |
本研究の目的は、ノンエリート青年の「学校から職場への移行」に及ぼす現代社会の変化の影響と、高等学校の進路指導・キャリア教育の変化との関係を解明し、それを通じて進路指導実践やキャリア教育実践の提案を行なうことである。社会的格差の地域的拡大、周辺化・縁辺化の急速な進行は、従来の進路指導・キャリア教育では立ち行かない状況を生んでいる。本研究では、地域社会の疲弊進んだ三つの地域、札幌市、釧路市、夕張市を対象としていた。 本年度は、科研費助成事業の最終年度であった。夕張市の地域調査のフォローと、昨年度実施した釧路市の進学校における進路指導・キャリア教育と生徒の進路志向調査の関係を明らかにするための比較研究を行った。 夕張市の調査においては、高校のOB・OGへのインタビュー調査(介護職、製造業、農業後継者)を追加した。さらに彼らを受け入れている事業所の調査も追加した。これらは、ノンエリート青年の職業的・人格的・社会的自立プロセスを明らかにするためのものである。 進路指導・キャリア教育の比較研究では、札幌市の進学校の調査が実施された。二つの地域の進学環境の違いは、両校の進路指導・キャリア教育の違いに直結していた。さらに進路志向の背景となる、生徒の学校生活の在り方にも大きく影響していた。特に、札幌市の進学校においては、課外活動の質をどのように向上させるかが、学習のモチベーションの維持に大きく関わっていることが明らかになった。生徒の進路志向の展開は、進学指導や直接的な進路指導・キャリア教育だけでなく、課外活動を含めた学校生活の質の向上抜きにはあり得ないことが示唆された。 これらの研究成果は、論文として公刊されるだけでなく、学会発表がなされ、当該分野の識者と議論された。さらに科学研究費助成事業全体の成果を、冊子体として報告書が作成され、様々な研究者に寄贈した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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