2010 Fiscal Year Annual Research Report
高校就職指導の社会学的研究―高校による「企業の選抜」という視点から
Project/Area Number |
22530907
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大島 真夫 東京大学, 社会科学研究所, 特任助教 (60407749)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱中 淳子 東京大学, 大学入試センター・研究開発部, 助教 (00361600)
|
Keywords | 教育学 / 社会学 |
Research Abstract |
本研究の目的は、高校の進路指導において職業斡旋が果たしている役割を従来の「実績関係」としてではなく、「生徒の選抜・企業の選抜」という新しい視点を導入しつつ解明することにある。長引く不況やグローバル化の進展等に伴い労働条件のよくない仕事が増える中で、なかなか進路が決まらない生徒に対し良好な就業機会を学校が選んで斡旋することは喫緊の課題であり、現在のキャリア教育が主眼とする職業観の醸成等とあわせて取り組む必要がある。関係者(採用企業担当者や教職員等)への聞き取り調査と生徒対象の追跡パネル調査を行い、実証的に現状を把握しつつ、「学校から職業への移行」に関する新しい研究枠組を提起し、政策的実践的示唆も得ることを目指す。 上記のような研究目的をふまえ、本年度は以下の通り研究を進めた。まず、「高校教職員・企業採用担当者等への聞き取り調査」の予備調査については、都市部の県および地方の県において、高校教職員(現職教員のみならず過去の経緯について詳しい退職教員についても調査の対象とした)および企業採用担当者へ聞き取り調査を実施した。その際、高校生の就職採用活動に関する資料も可能な範囲での提供を依頼した。次に、次年度実施予定の「高校3年生追跡パネル調査」の準備については、先行研究のレビューを踏まえ調査項目の検討を行った。また、研究代表者の所属する社会科学研究所が行っているパネル調査のデータ、および研究分担者が所属する大学入試センターの行った高校生の進路に関する調査のデータを用い、予備的な分析を行った。上記の研究を進めるために、研究代表者と研究分担者の間で定期的に研究会を開催したほか、E-mail等を通じて情報交換を行った。
|