2012 Fiscal Year Annual Research Report
高校就職指導の社会学的研究―高校による「企業の選抜」という視点から
Project/Area Number |
22530907
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大島 真夫 東京大学, 社会科学研究所, 助教 (60407749)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱中 淳子 独立行政法人大学入試センター, 研究開発部, 准教授 (00361600)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 進路指導 / キャリア教育 / 学校から職業への移行 / 高校教育 / インターンシップ |
Research Abstract |
本年度は研究期間の最終年度であり、前年度及び前々年度に実施した「高校教職員・企業採用担当者等への聞き取り調査」および「高校3年生追跡パネル調査」の結果の整理・分析を行う期間として位置づけた。また、本年度において補足的な聞き取り調査を数校の高校において実施した。研究成果として、以下の諸点を挙げることができる。①本研究課題が中心的な分析概念としている「企業の選抜」は、就職指導や職業斡旋のプロセスにおいて、個々の教員の取り組みの中に見出すことができた。企業選びは、基本的には生徒の希望が優先されるものの、労働条件が良くないとされている企業を選びそうになった時には他の企業にも目を向けるようそれとなく伝えるなどして、受験を回避させようとしていた。②卒業間近になり職安からの求人情報だけでは不十分になって教員自身が求人開拓を行う時にも、労働条件が良くないとされている企業は開拓対象としては含めず、「企業の選抜」を行っていた。③景気が低迷し労働条件の良くない企業を選ぶリスクが高まっている中で、在学中のインターンシップやアルバイトから卒業後の就職へと結びつけ、そのインターンシップ先やアルバイト先の選定において「企業の選抜」を試みる取り組みも見受けられた。④「企業の選抜」は、労働条件のよくないとされている企業をふるい落とすプロセスであるが、高校生に対する求人が減少している現状にあっては、生徒を紹介しても差し支えない企業を増やす努力も求められている。かつての進路指導においては採用実績があることや卒業後の追指導などをきっかけに企業と学校の間に信頼関係が構築され安定的に学校は生徒を送り込んできたが、たとえば③で述べたような取り組みは在学中に安定的な信頼関係が構築されるという点でそれとは異なるものの、生徒の送り込み先を確保する新しい取り組みとして今後可能性を有しているのではないかと評価できる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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