2010 Fiscal Year Annual Research Report
大学の社会貢献事業の持続可能性に関する社会学的研究
Project/Area Number |
22530911
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
藤村 正司 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (40181391)
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Keywords | 社会貢献 / 地域交流 / 大学経営 / 新制度主義 / 主人・代理人論 |
Research Abstract |
平成22年度は、研究計画にしたがって、「理論研究」、「データベースの作成」、「実地研究」を行った。 理論研究では、高等教育組織論と新制度派社会学の1990年代以降の文献を収集し、国の社会貢献プログラムの波及効果を説明する「主人・代理人モデル」、「ルースカップリング論」、「組織フィールド論」などを検討し、総合分析やアンケート分析で行う、全国学部長国立大学附置センター長を対象とするアンケート調査票のフレームの確立を行った。とくに、法人化後では大学の社会貢献が<規範>となったこと、政府の関係が金銭と情報を取引とする「主人・代理人関係」が構築されたこと、社会貢献事業もそうした主人・代理人関係における代理人としての大学の役割が強まっていることを明らかにした。国立大学分類と自治体の財政力データベースについては、既存の官庁統計資料の収集・整理した。「国立大学法人財務諸表」、「大学評価・学位授与機構評価」、「大学等における産学連携等実施状況について」「自治体財政調査」「自治体年鑑」などを中心に、全国87国立大学法人と立地する自治体のデータベースを作成し、23年度の分析に備えた。「実地研究」としては、地域拠点大学としての岩手大学を事例に社会貢献事業の持続可能性を探った。地域連携推進センターや融合化ものづくり研究センターでは、コラボMIUや岩手ネットワークシステム(INS)など<界>が地域社会の中に短期的に形成されたこと、これのネットワークをいかに維持するかが大学社会貢献事業の持続可能性において極めて重要な役割を果たしていることを明らかにした。
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Research Products
(3 results)