2010 Fiscal Year Annual Research Report
危機に瀕した「沖縄の低学力問題」解決のための追跡調査研究
Project/Area Number |
22530922
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
西本 裕輝 琉球大学, 大学教育センター, 准教授 (20301393)
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Keywords | 学力 / 沖縄 / 学力問題 / 文化的再生産論 / 家庭環境 / 基本的生活習慣 / 家庭の教育力 |
Research Abstract |
22年度は、高校生を対象とした学力調査の実施及びその集計(データ入力等)が中心となる。調査対象は沖縄県内の高校生だけでなく、比較対象とするために静岡の高校生も対象とした。1年生706名(沖縄:384名、静岡322名)、3年生1264名(沖縄:945名、静岡:319名)、合計1970名であり、予定していたよりも多くのサンプル数を確保することができた。 学力調査では、個人の特性(家庭学習時間、通塾状況、部活動状況、性格等)、家庭の状況(親学歴、親職、経済状況、進学期待等)、学校の状況(学校文化、教師の取り組み、教室環境、学校効果等)などの測定目用いた。調査時期は2010年12月~2011年2月であった。詳細な分析はこれからであるが、質問紙調査で得られた変数と学力テストの得点を合わせて分析することにより、さまざまなことがわかってきた。 例えば、学力の高い生徒は朝食摂取率が高いことが明らかになった。これは小中学校における調査結果と一致する。また、学力の高い生徒の睡眠時間は低い生徒に比べて長く、睡眠時間を削って勉強するよりも充分な睡眠を取ることの方が重要であることが明らかになった。高校卒業後の進路について明確なヴィジョンを持っている生徒の方が学力が高いということも明らかになった。 研究期間はあと二年あるので、今後はさらに継続調査を行うとともに、ここまでの分析結果を用いて日本教育社会学会等で発表する予定である。
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