2012 Fiscal Year Annual Research Report
タイにおけるニューカマーの学校就学と支援ネットワークに関する研究
Project/Area Number |
22530924
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
野津 隆志 兵庫県立大学, 経済学部, 教授 (40218334)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ニューカマー教育 / 外国人児童 / 多文化教育 / 組織間ネットワーク / 国際NGO |
Research Abstract |
1.タイのニューカマー児童の学校就学の阻害要因をタイ3県で調査し、3つの要因を明らかにした。(1)学校要因:「手続きの複雑さ」「教員・保護者の拒否感情」「受け入れシステムの未整備」などが要因となり、どの県でもニューカマー児童の受け入れは限定的である。多くの未就学児童が存在している。(2)家族要因:多くの不法就労家族は、行政の目を恐れ子どもを学校に送りたがらない。また、子どもに家事労働や日雇い労働をさせることを優先する価値観がある。さらに、祖国(ミャンマー)と頻繁な往来をしてる家族は、タイ学校より帰国後のミャンマー学校への就学を望んでいる。(3)システム要因:タイ教育省は未だにニューカマー児童の学校受け入れのために必要な手続きや規定を整備していない。 2.ニューカマー教育のために学校内外の多様なアクターが作る支援ネットワークの重要性とその役割を解明するために、ターク県とチョンブリ県で調査した。調査地で支援アクター相互関係を詳細に分析し、以下の点を明らかにした。(1)ターク県では国際NGO(ワールド・エデュケーションなど)、タイ行政(教育委員会)、タイ公立学校、ミャンマー自治組織(The Burmese Migrant Workers Education Committee)間の連携ネットワークが急速に形成されている。チョンブリ県ではNGOによる学校への支援は見られなかった。(2)ターク県でネットワーク形成を可能とした要因は、当事者組織それぞれが「連携への意欲」を持ち、お互いの持つ「資源の相互提供」を行い、さらに頻繁な「対面コミュニケーション」を行ったからである。(3)国際NGOは他のアクターから信頼されるために積極的な「異文化コミュニケーション」に努力した。(4)ネットワーク形成の結果、新しい共有価値が生まれ、新規の連携プロジェクトが試みられていることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)