2012 Fiscal Year Annual Research Report
オーストラリアにおける政権交代後の先住民教育政策の動向に関する実践的分析
Project/Area Number |
22530925
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Research Institution | Fuji Women's University |
Principal Investigator |
伊井 義人 藤女子大学, 人間生活学部, 准教授 (10326605)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 先住民教育 / オーストラリア / 社会的公正 / 政権交代 / 教育政策 / 比較教育学 |
Research Abstract |
オーストラリア連邦政府が労働党政権に移行して、4年が経過した。その間、先住民教育政策では、生徒への学力成果や教員の質の向上が、優先目標とされてきた。また、労働党の先住民教育政策が企画段階から実施段階に移され、本年度も引き続き、その状況を分析してきた。 本研究の最終年度は「社会的包摂政策における先住民教育の位置づけ」「教員の質の向上と先住民教育の関係性」を主たるテーマとして考察を行った。そのテーマに基づき、2013年2月にはオーストラリアでの現地調査を実施した。そこでは、ニューサウスウェールズ州、クイーンズランド州政府における先住民教育政策に対して及ぼす労働党政権の影響を資料収集、関係者インタビューを通して分析した。その結果、先住民教員を含む教員研修の充実によって、学校教育の質の向上を目的とした教育政策に関する分析することができた。 さらに、先住民教育の目標が学力向上に焦点化される中で、その実施プロセスに関する考え方は、先住民教育者の中でも議論されていることがわかった。これまでは学力向上を目指す上でのプロセスの多様化、つまり文化的配慮に先住民教育においては重視されてきた。しかし、社会的な包摂政策下における先住民・非先住民間の格差是正を目指す流れは、その多様性への配慮を一定程度、留保する考え方を生み出してきた。 そのような背景から、本年度は、先住民の教育研究者・教育実践者がどのような方向性を打ち出しているかも分析した。特に、クイーンズランド州北部のケープヨーク地域を中心に活動するノエル・ピアソン(Noel Pearson)を中心として、現地調査時に入手した論文や著書に書かれている事柄を分析した。しかし、文献を通しての分析に留まり、本人へのインタビューは、今後の課題としたい。 以上の研究内容は、実施計画に沿って日本比較教育学会で口頭発表、オセアニア教育学会で論文発表をしてきた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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