2012 Fiscal Year Annual Research Report
「学校に行かない」子どもの教育権保障をめぐる教育臨床社会学的研究
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22530928
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Research Institution | Otsuma Women's University |
Principal Investigator |
酒井 朗 大妻女子大学, 教職総合支援センター, 教授 (90211929)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
保坂 亨 千葉大学, 教育学部, 教授 (30173579)
小玉 重夫 東京大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (40296760)
木村 文香 江戸川大学, 社会学部, 講師 (70424083)
伊藤 茂樹 駒澤大学, 総合教育研究部, 教授 (70251569)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 長期欠席 / 不登校 / 不就学 / 学校に行かない子ども |
Research Abstract |
本研究は長期間にわたり学校に行かないでいる多様なタイプの子どもの問題を教育権の保障という観点から統一的に捉えることで、日本の教育問題の理解に再考を迫るとともに、法制度や行政システムを批判的に検討するものである。本年度はこれまで調査してきた不登校や高校中退の問題を社会的排除と包摂という視点から捉えることの必要性を指摘した。その要点は以下の3点である。 第一に、社会的排除の概念に照らした場合、「学校に行かない子ども」は公教育ならびに社会の諸制度の機能不全と関わらせて分析されるべきであり、学校に行かないことは学校教育からの排除であるのみならず、累進的な排除過程における初期段階の重大事でもある。第二に、社会的包摂の観点から問題への対応を考えるためには、学校に行かないという行為だけを見るのではなく、それが招き寄せる様々な不利益を予測し、それに対する防御を含めて検討する必要性がある。第三に、社会的包摂の取り組みにおいては、既存の秩序に同化させるのではなく、排除された人々のニーズに応じて制度を改変することで、その人々を社会の構成員として包括し、その人々に対して共感することではじめて成り立つ態度を持つことが必要である。 以上の検討を踏まえて今後の検討課題を3点指摘した。 1. 学校教育の法制度や組織内部の諸手続きが、様々なカテゴリーの子どもを排除していくように機能している実態に光を当てる。 2. 社会的排除の観点から教育統計について精査する。 3. 社会的排除のリスクを軽減させるために、学校教育の内部に留めておくための仕組みについての検討や開発を進める。なお、3点目に関連して、沖縄県の高校中退対策の取組について資料収集と関係者へのヒアリングを行った。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)