2011 Fiscal Year Annual Research Report
米国の高等教育の適格認定における学習成果重視政策転換議論のインパクトに関する研究
Project/Area Number |
22530938
|
Research Institution | National Institution for Academic Degrees and University Evaluation |
Principal Investigator |
森 利枝 独立行政法人大学評価・学位授与機構, 研究開発部, 准教授 (00271578)
|
Keywords | 教育政策 / 高等教育 / アクレディテーション / 学習成果 |
Research Abstract |
本研究の目的は,米国における近年の高等教育行政の趨勢に着目して,(1)高等教育の質保証の実践に対する社会的要請と政治的要請のインパクトと,(2)アクレディテーション団体・高等教育機関とその団体・政府という3種類のアクターの相互関係と相互影響の態様を整理して提示することである。平成23年度においては,Federal Register/Vol.75,No.209の分析を進め,またその影響を米国での実地調査から把握することを検討していた。 このうち,Federal Register/Vol.75,No.209の分析の成果としては,高等教育専門誌『IDE-現代の高等教育』において,政策動向とそのインパクトを含めた検討を行った論攷を発表した。さらに,平成23年度は地域アクレディテーション団体である北中部協会での現地調査を遂行し,上記の規則(オバマ政権の学習成果重視政策を反映する規則)がアクレディテーション基準の欄外に記載されるまでの経緯に関して担当者から聞き取り調査を行った。それとともにウィスコンシン大学ミルウォーキー校をはじめとする高等教育機関において同規則および北中部協会の規則への対応が各高等教育機関に及ぼしている影響に関して調査すると共に,学生の学習成果の提示において各機関がアメリカ大学協会(AAC&U)の開発したルーブリックを一定程度利用していることを明らかにした。このルーブリックの利用については22年度末の現地調査の成果を中心に『文部科学時報』の連載で公表した。さらに,22年度末の地域アクレディテーション団体(南部協会)での調査の成果を,上記『IDE』掲載の論文の他,23年度に行った諸講演の内容に反映させて成果の普及を図った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画のうち,現地調査の対象など調整が必要な案件については当初計画との異同があるが,研究目的を達成する上で必要な文献調査および現地調査は遂行されており,成果はその都度公表している。予想以上の長足の進歩は得られていないが,研究計画はおおむね順調に進展していると自己評価する。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度においては,当初計画の通り,文献研究と現地調査を継続して遂行する。また,本研究計画の予算外ではあるが,本研究課題と関連して,アメリカ大学協会(AAC&U)の共催する国際会議に出席し,学習成果を示すルーブリックの開発について担当者と意見交換することを予定しており,その成果を本研究計画の遂行および最終年度である本年に求められる成果のまとめに反映させることを企図している。
|