2011 Fiscal Year Annual Research Report
地域の美術館と学校の連携を支援する表現・鑑賞プログラムの共同開発
Project/Area Number |
22530940
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
名達 英詔 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (90510272)
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Keywords | 美術教育 / 地域連携 / 表現・鑑賞プログラム |
Research Abstract |
地域美術館と学校教育の連携を支援するための表現・鑑賞プログラムを開発・提供することを目的とする本研究では平成23年度に以下の4つのプログラムを開発、提供した。 ■造形まつり「工作玉手箱!いろんな形みつけちゃおう」(7月実施参加者4000名)道立旭川美術館、旭川市彫刻美術館を会場に、複数のワークショップを児童、生徒、一般の市民に向けて提供した。 ■道立旭川美術館企画展「巨匠たちの饗宴」展鑑賞プログラム(8月実施参加生徒262名)旭川市内・上川管内中学校美術部生徒が旭川美術館企画展「巨匠たちの饗宴」展の作品をプログラムにより鑑賞した。 ■中原悌二郎賞関連ワークショップ「つなげてめぐるアートの力」(9月~10月実施参加生徒100名)平成23年度中原悌二郎賞受賞者の小泉俊己氏監修のもと、旭川市内、上川管内中学校美術部によるワークショップと鑑賞会を氏の講話も交えながら行った。 ■旭川市立彫刻美術館巡回展出前授業プログラム(8月~12月実施参加児童生徒829名)市内小中学校、盲学校に貸し出し展示された彫刻美術館所有の彫刻作品を当該校の児童生徒保護者がプログラムにより鑑賞した。 いずれのプログラムも地域の美術館、学校、大学が連携することで実現したものであり、参加児童生徒、保護者、教員へのアンケートからプログラムが有効に働き、美術作品の鑑賞や造形表現活動に対する理解の進展や意欲の高まり。学校教育へ美術館利用の普及、美術館での教育普及活動の活性化が図られた。 また、これに伴い、プログラム運営での効率化や内容の充実、本プログラムを基にした市内小・中学校教諭向け研修会の実施がなされた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究において開発されたプログラムは、いずれも参加児童生徒にとって美術館及び美術作品への関心の高まりや見方、考え方の深まり、進んで鑑賞しようとする姿勢等をうながすものとなっており、例年参加している生徒では学習の積み上げも見られた。また、プログラムの充実と運営面での効率化、地域に開かれた美術館としての活用と周知、大学施設の活用なども図られ、その目的をおおむね果たしていると言える。教員志望学生の更なるスキルアップ及び、実施状況の分析を基にした改善をさらに進めたい。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)柔軟な組織を安定的に運用する為の方策について研究、開発する。 (2)本プログラムをテーマとした市内小・中学校教諭向け研修会の拡充。 (3)教員志望学生のより実践的なスキルアップを図る方法の開発。 (4)研究記録の収集や分析、分析結果の応用に向けた実践的研究組織の運用。
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