2011 Fiscal Year Annual Research Report
実践的教育力養成のための教員研修システムの構築-造形美術教育の改善を目指して-
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22530948
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
降籏 孝 山形大学, 地域教育文化学部, 教授 (20302284)
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Keywords | 教員研修 / 図画工作科教育 / 美術科教育 / 造形美術教育 / 教育力 / 教員免許更新講習 |
Research Abstract |
平成23年度は、本研究(平成22年度~24年度)計画における第2年次の研究であった。 第1年次の研究成果である学校教育現場における造形美術教育の問題点と課題の結果については、今年度の教員免許状更新講習の実施からあらためて検証することができた。特に、この更新講習に受講された教師の実態調査結果の考察から、造形美術教育の問題点と課題について再確認することができた。 この現在の学校教育現場における造形美術教育の問題点と課題の結果については、本年度9月に開催された第50回大学美術教育学会宮城大会の全体会シンポジウムにおいて、パネラーの1人として発表することができ、学会参加者に問題点と課題の実情を訴えることができた。さらに、ポスターセッションにおいては、「実践的な教育力を高める教員研修の在り方」として研究成果を公開することができた。 第2年次の研究においては、今までの研究成果から明らかにされた造形美術教育における問題点と課題に対して、それを少しでも解消し解決ができるような教員研修の重要な要素の考察と検討に取り組んできた。最終的な研究目的である教員研修システムの構築を目指して、システムとして絶対に必要となる教育実践の振り返りから具体的な改善方策までの4つの重要な要素を導き出すことができた。さらに、その重要な要素を意図的に教員研修のシステムに位置づけることが大切であるとあらためてRCSI教員研修システムとして提案することができた。ここまでの研究成果は、山形大学教職・実践自実践研究の第7号に、研究主題「教育力向上のための教員研修の要素と内容」で発表することができた。 また、本研究の研究協力者である山形大学附属小学校教員と附属中学校教員とでは、大学と附属学校園との共同研究報告書に、研究主題『造形美術教育における実践的な教育力-小学校「図画工作科」と中学校の「美術科」で学びを支える教育とは-』で第2年次の研究成果としてまとめることができた。 以上の第2年次までの研究成果の基に、第3年次の研究へ繋いでいきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
第1年次及び第2年次の研究において、学校教育現揚における造形美術教育の問題点と課題について明らかにすることができた。そこから、有効な教員研修システムとして重要かつ必要な4段階の要素を導き出すことができた。ここまでの研究成果については、平成23年9月の大学美術教育学会と平成24年3月の美術科教育学会において発表することができた。以上のことから、研究としておおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題における今後の推進については、第1年次及び第2年次の研究成果を基にして、具体的な教員研修システムのプロトタイプを構築することである。また、今までの教員免許更新講習の実施とその考察から新たに学校教育現場の教師たちから出されてきた造形美術教育に求める要素や内容については、研究遂行上の新たな問題点と課題の一つとなっている。この要素と内容についても構築を目指している教員研修システムのプロトタイプの中に少しでも取り入れることで対応していきたい。また、その取り入れた後での有効性については、研究協力者である附属学校や公立学校の教師に検証していただきながら、率直な意見を研究に反映しながら推進させていきたい。
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