2011 Fiscal Year Annual Research Report
小学校と中学校の接続の観点からの比例的推論の進展の契機の探究
Project/Area Number |
22530952
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
日野 圭子 宇都宮大学, 教育学部, 教授 (70272143)
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Keywords | 比例的推論 / 小中の接続 / 数学教育 / 数学的表記 |
Research Abstract |
本研究の目的は,小学校と中学校の接続の観点から,比例的推論の進展の契機を探究することである。焦点を当てるのは,子どもの側からの情報であり,特に,比例の式,表,グラフという異なる表現様式のそれぞれに対する子どもの意味づけが,どのように相互に影響しあいながら進んでいるかを捉えていく。そして,得られた結果に基づいて,学校で指導される数学的表記と比例的推論の発達との関わりについてのモデルを洗練し,学習指導に対する提案を行う。 本年度の研究実績は以下の通りである。 1.中学1年の期間における生徒の比例的推論の進展と,式やグラフの表現様式の理解との関わりについて,公立中学校2校において次のデータを収集した。 4月:1年生全員に対して筆記調査を行った。 5月~3月:筆記調査をもとに異なる比例的推論の生徒を14名選出し,各生徒に対して3~5回にわたって,インタビューを行った。インタビューでは,比例に関する異なる問題を提示し,解決の仕方や式・グラフへの表現の仕方等を継続的に調査した。 3月:半数程度の生徒に対して,4月と同じ筆記調査を行った。 2.データの一部について分析を行った。 4月の筆記調査の結果,及び,第1~2回のインタビューのデータ(中学校での「比例」学習前)について分析を行い,現在,論文を準備している段階である。また,得られた結果に基づいて,次年度は、中学1年での介入の仕方を検討・実践する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実際に学校現場でデータを収集するにあたって、当初の計画をやや変更して進めてはいるが、予備調査としての2年目の内容を、おおむね行うことが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
予備調査結果に基づいて、今後は、授業を通しての生徒への介入を検討し、実際にそれを行うことで、生徒の様子を調べていく。但し、学校現場での様々な事情から、計画した授業のすべてを実践することが難しいことが予想される。一部分について、計画を実施することを考えている。また、生徒の学習面について、昨年度の方法を改良しながら調査していきたい。
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