2011 Fiscal Year Annual Research Report
中学校国語科書写における書字過程に着目した行書教材及び授業開発
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22530954
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
樋口 咲子 千葉大学, 教育学部, 准教授 (00431734)
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Keywords | 中学校国語科書写 / 書字過程 / 書字動作 / 筆脈 / 運筆リズム / 筆圧 / 行書 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度の実態調査の分析を受けて、指導上効果的な動画教材(毛筆・硬筆)と、問題のある行書の書き方が一覧できる資料集を作成した。 まず、動画教材の内容は以下のとおりである。(1)行書の基本となる点画の筆使い(学習指導要領に示された行書の特徴の「点画の方向や形の変化」に対応)。(2)行書の直接連続・間接連続の筆使い(学習指導要領に示された行書の特徴の「連続」に対応)。(3)行書の部分形の筆使い(学習指導要領に示された行書の特徴の「省略」・「筆順の変化」に対応)。(4)一字をとおした書字リズム(教科書で教材化されることの多い文字で示した)。動画教材作成にあたっては、次の点に留意した。a 基準となる書き方と問題のある書き方とを示し、問題点をわかりやすくした。b筆毛部分の穂先と腰の部分の動きが明瞭になるようにした。c筆管の動きや手首、腕の動きも見えるようにした。d 点画や部分、一字を書き通すリズムがわかるようにした。e筆順にしたがって、筆脈(空間での筆の動き)が捉えられる工夫をした。筆使いについては、書道の専門的な筆使いではなく、小学校で学習した楷書の筆使いと隔たりがないよう、平易で硬筆との関連が図れるものにした。分析した学生・生徒の書き方を参考に、無理のない書きやすい筆使いを取り上げた。 次に資料集であるが、動面教材とリンクさせて、有効な改善法を豊富に提示するようにした。硬筆においても、カーボン紙を使用し、自分の筆圧を確認しながら書字リズムを習得していく方法など、具体的ですぐに実践にうつせるものにした。 開発した動画教材と資料集は、書写書道教育研究者や現場の先生方にご覧いただき、意見や感想を求めた。また、研究成果を、硬筆練習帳や書写の学習指導書等の著書に反映させるようにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
開発した動画教材と資料集は、書写書道教育研究者や現場の先生方にご覧いただき、意見や感想を求めているが、予定よりも意見聴取の数が少ないので、もう少し広範囲に広げていきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、開発した動画教材や資料集を実際に教員養成課程の学生や中学校国語科書写の授業で活用し、さらに改善を重ねる。研究の成果を報告書やDVDにまとめる。
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