2012 Fiscal Year Annual Research Report
スパイラルを重視した数学的活動による代数学習の深化を促す単元と学習方法の開発
Project/Area Number |
22530957
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
両角 達男 横浜国立大学, 教育人間科学部, 准教授 (50324322)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | スパイラル / 数学的活動 / 学習の深化 / 単元 / 学習方法 / 代数学習 / 同じ例 |
Research Abstract |
平成24年度の研究では、スパイラルを重視した数学的活動による単元「数列の極限」を開発し、その授業実践の質的な分析を通して、代数学習の深化と効果的な学習方法の考察を行った。また、中高連携を重視した単元「球の体積と表面積」を開発し、学んだことがらに対する新たな意味形成の過程についての考察を行った。これらの考察を通して、次のことが見いだされた。 ・単元「数列の極限」の学習では、有理数や自然数に接近する有理数列とその特徴を調べる活動を行った。生徒は、単元「数列」で学んだ例や単元「平方根」で学んだことがらの意味を図やグラフを用いて解釈したり、極限の考えなど新たな視点で見直したりしていた。また、同じ自然数に接近する有理数列が複数存在することに驚き、それらの有理数列の特徴を比較することから、その違いを生む原理を探究していた。同時に、「同じ例」に関する考察の過程をふりかえりながら、接近や収束に対する問いを改めて抱いていた。例で考えるという姿勢を高めることにより、生徒の中に本質的なことがらを問う姿勢がみられた。 なお、同一生徒に対して実施された4つの単元「平方根、式と証明、数列、数列の極限」による学習の深化については、考察を続けている。 ・単元「球の体積と表面積」の学習では、円の面積公式や球の体積公式について学んだことがらをふりかえり、積分や極限などで考える活動を行った。生徒は、円と球を対比し、次元の移行による類比的推論を行っていた。また、式を読む活動を積極的に行うことから、球の体積や表面積の公式を導出する過程を解釈していた。一方、球の表面積をもとに体積を導くのか、球の体積をもとに表面積を導くのかなど、循環論法への問いが発生していた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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