2010 Fiscal Year Annual Research Report
数学的問題解決における表現の役割を意識した授業デザインに関する基礎的研究
Project/Area Number |
22530963
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
山田 篤史 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (20273823)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 浩 上越教育大学, 学校教育研究科, 教授 (80251867)
清水 紀宏 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (50284451)
岡崎 正和 岡山大学, 大学院・教育学研究科, 准教授 (40303193)
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Keywords | 数学的問題解決 / 表現 / 授業デザイン |
Research Abstract |
本年度は,まず,数式に代表される形式的・規約的表記と自然言語以外で「数学的問題解決に頻繁に利用され適用範囲の広い有用な図的表現」を,国内外の教科書や指導書,数学教育学及び心理学における表現・表象に関係した図書や論文等を収集した。次に,そうして収集された数学的問題解決に有用と目される汎用的な図の中でも,本研究では,Diezmann & English (2001)の研究で取り上げられる4つの図のカテゴリー,即ち「ネットワーク」「マトリクス」「階層(ヒエラルキー)」「部分-全体」に着目することにした。そして,本年度は,上記の4つに我が国の教科書で乗法構造を示すために頻繁に使われる「比例数直線」を加え,合計5つの図のカテゴリーに着目して,議論を進めることにした。これら5つの図のカテゴリーに関して,第一には,それぞれがどのような数学的構造と結びついているのか,第二には,解決においてそれぞれのカテゴリーの図が使われる問題群を想定しつつ,問題解決過程における具体的な図の役割について,理論的に検討を加えた。 本年度後半では,こうした5つの図のカテゴリーへの着目とそれらの数学的な構造との結びつき,更には具体的な図の問題解決過程における役割についての議論を集約し,そこに,国内の教科書における図の使われ方,特に,数学的な構造と図との相性の問題や,同一カテゴリーと目される図のバリエーションを同一のものと見ることの難しさの問題についての議論を加えて,雑誌論文(『イプシロン』掲載論文)にまとめた。
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Research Products
(1 results)