2011 Fiscal Year Annual Research Report
特別支援教育における現職家庭科教師の力量形成教育プログラムの開発
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22530980
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
伊藤 圭子 広島大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (50184651)
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Keywords | 現職家庭科教師 / 特別支援教育 / 力量形成プログラム |
Research Abstract |
特別支援教育のうち特に特別なニーズを要する子どもを包含した通常学級での家庭科授業に焦点をあて、行動コンサルテーションを用いて、特別支援教育における家庭科教師の現職教育プログラムを開発するため、本年度は次のことを実施した。 1)特別支援教育における家庭科教師の実践的力量形成のための現職教育プログラムを開発する際の示唆を得るため、既に国連障害者の権利条約に批准している韓国のインクルーシブ教育の実状を把握した。具体的には、家庭科(小学校は実科、中学校は技術・家庭)の実状に関しては、韓国教育大学教授および附属小学校・中学校の家庭科担当教師にインタビュー調査を実施した(授業参観も含む)。インクルーシブ教育については、国立特殊教育院の研究員、韓国教育大学教授などにインタビュー調査を実施した。 2)1)のインタビュー調査を逐一文字化し、収集した資料の整理を行っている。 3)韓国では、障害者の自己実現と社会統合のための第3次特殊教育発展5カ年計画(2008~2012)に従い、順次具体的に実践化されている。これを国連障害者権利条約および日本における中央教育審議会初等中等教育分科会特別支援教育のあり方に関する特別委員会における論点と比較検討した。 4)家庭科において、インクルーシブ教育に対応した基本教育課程教科書とその補完資料、教師用指導書は、日本においてインクルーシブ教育を進める上で多くの示唆が得られた。 5)韓国の現職教員研修の課題を踏まえて、日本における現職家庭科教師の実践的力量形成のための研修の方向を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画にそって進展しており、これまで蓄積されたデータを基に、次年度実施の現職家庭科教師へのコンサルテーションにおける課題や方策を明らかにできたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究としては、これまでの研究成果を基に、行動コンサルテーションを実践する。具体的には、コンサルティである現職家庭科教師のアセスメントを踏まえて、コンサルタントである大学家庭科教員、特別支援教育教員とともに授業開発を行う。その成果ができるだけ多くの家庭科教師に共有きれ、実践的力量の形成に繋がるような方策を試行する。
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