2011 Fiscal Year Annual Research Report
算数教育における教師の思考と言動に影響する心的要因のメカニズム
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22530985
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Research Institution | Naruto University of Education |
Principal Investigator |
廣瀬 隆司 鳴門教育大学, 大学院・学校教育研究科, 准教授 (50452660)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐伯 昭彦 鳴門教育大学, 大学院・学校教育研究科, 准教授 (60167418)
石内 久次 鳴門教育大学, 経営企画本部・企画総務課情報チーム, 事務補佐員 (00532912)
長谷川 勝久 東洋大学, 文学部, 准教授 (80321280)
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Keywords | 教師の授業実践力 / 児童の授業理解 / 心的要因 / 測定尺度 |
Research Abstract |
児童の学力の向上や教育の質の向上は,教師の授業実践の質の向上に負うところが大きい。そこで,本研究では,算数科における教師の授業実践の質を高めるために,教師と児童の思考や言動に影響する心的要因を数学に対する信念・価値・素質・感情・態度とし,これら5つの要因に関する教師と児童の測定尺度を開発し,教師の5つの要因の関係,児童の5つの要因の関係,教師と児童の数学に対する信念・価値・素質・感情・態度,教師の授業実践力,児童の授業理解の間の関係を明らかにし,教師の授業実践の政善を図ることを目的とする。5つの要因に関する教師と児童の測定尺度を開発するために,小学校教師137名,第6学年の児童約332名を対象とし,調査を実施した。調査結果の分析と考察により,5つの要因に関する教師と児童の測定尺度を開発し,教師の5つの要因の関係と児童の5つの要因の関係を明らかにすることができた。そして,これらの成果は,日本数学教育学会・数学教育学会・日本科学教育学会・日本教育実践学会の各研究誌に掲載された。また,神戸市内のA小学校の算数科の職員研修に参加し,教師の研修前後の5つの要因の変容を調べたり,第5学年の「小数×小数,小数÷小数」・「割合」に関する指導授業を行ったりして,教師の授業実践力の向上を図ると共に,これらの授業に対する児童の授業理解と児童の5つの要因間の関係を詳細に調べたりしている。来年度は,これらの授業の結果の学会発表や学会への投稿を行い,幅広くフィードバックし,教師の授業実践の改善を図っていきたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
教師と児童の数学に対する信念・価値・素質・感情・態度の測定尺度を開発したこと,教師の5つの要因の関係と児童の5つの要因の関係を明らかにすることができたため,研究計画は,おおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
教師と児童の数学に対する信念・価値・素質・感情・態度の測定尺度を用いて,算数科の職員研修前後の教師の5つの要因の変容を調べたり,第5学年の児童に実施した「小数×小数,小数÷小数」・「割合」に関する授業前後の5つの要因の変容や授業理解についての結果を分析したりし,この成果を学会発表や学会への投稿という形により残し,幅広いフィードバックという観点から,教師の授業改善を図っていきたいと考えている。
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