2011 Fiscal Year Annual Research Report
中等教育における統計的リテラシーのオンライン評価システムの開発
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22530990
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
小口 祐一 茨城大学, 教育学部, 准教授 (70405877)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青山 和裕 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (10400657)
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Keywords | 統計的リテラシー / 中等教育 / 評価 / 統計的思考力 |
Research Abstract |
平成23年度の目的は,協力校で学習状況調査を実施し,開発された評価問題への回答を分析して,評価規準を設定することであった。研究協力者の学校など中学校6校と高等学校1校で,開発された評価問題による学習状況調査を実施し,その回答を分析して評価規準を設定した。 (1)学習状況調査の実施 研究協力者の学校など,茨城県,愛知県,宮崎県内の公立中学校6校・岩手県内の私立高等学校1校の生徒を対象に,調査問題に回答してくれるよう依頼した。平成20年3月告示学習指導要領への移行措置期間において,中学校第1学年で「資料の活用」領域を学習した時間および内容についても調査した。 (2)調査結果の分析 米国統計学会によるGAISEレポートの統計教育ガイドラインに基づいて,わが国の中等教育における統計的リテラシーの評価の枠組みを設定した。設定された枠組みは,一方の軸に統計的探究プロセスの項目と変動性の項目,もう一方の軸に学年段階を配置し,変動性の項目と学年段階との関連について分析できるようにした。個別の調査問題に対しては,回答とともに回答理由を記述してもらい,学習者が保持する誤認識を特定した。それとともに,2つ以上の調査問題に対する回答をクロス集計し,調査問題間の関連についても分析した。 (3)評価規準の設定 調査問題の内容の難易度と学年段階に基づいて,評価規準を設定した。また,同様の統計用語・記号に関する内容であり,かつ同質と考えられる問題のグループ化を行った。そして,各グループを統計的探究プロセスと変動性の項目に対応させた。評価システムの開発に向けて,評価規準と評価問題については,ほぼ整備ができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国内4県の中学生991名,高校生64名を対象に,学習状況調査を実施することができた。GAISEレポートの統計教育ガイドラインを参考にし,一方の軸に統計的探究プロセスの項目と変動性の項目,もう一方の軸に学年段階を配置した統計的リテラシーの評価の枠組みを設定することができた。調査結果を分析し,問題の難易度と学年段階に基づいて,評価規準を設定することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
統計的リテラシーの評価の枠組み,評価規準と評価問題の開発は,ほぼ準備できた段階である。今後の推進方策は,評価システムの開発に向けて,評価の枠組み,評価規準と評価問題をホームページ上で公開できる形式に変換することである。問題点として,ホームページのデザインを業者に委託する場合,費用がかかりすぎることである。そのため,研究代表者と研究分担者が,ホームページをデザインすることにした。インターネットで公開する前に,協力校で評価システムの試行的な運用をすすめ,システムに修正を加えていく計画である。また,研究協力者には,評価問題の改善をすすめてもらう。
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Research Products
(4 results)