2011 Fiscal Year Annual Research Report
生活科の形成過程に関する研究―協力者会議資料や協力者インタビュー調査等を通して―
Project/Area Number |
22531000
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Research Institution | National Institute for Educational Policy Research |
Principal Investigator |
吉冨 芳正 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター・基礎研究部, 総括研究官 (60550845)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 学 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター・研究開発部, 教育課程調査官 (00413906)
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Keywords | 生活科 / 新教科 / 小学校低学年の教育 / 学習指導要領 / 教育課程 |
Research Abstract |
1.平成22年度の破究では、平成元年の小学校学習指導要領の改訂において新設された生活科の形成過程については、文部省の協力者会議資料その他から、次のように区分できることを明らかにした。 (1)昭和59年7月の協力者会議発足までの「準備期」 (2)協力者会議発足から昭和61年7月の審議のまとめまでの「第一次検討期」 (3)教育課程審議会での検討から平成元年の学習指導要領改訂までの「第二次検討期」 (4)学習指導要領改訂以降の「実施準備・実施期」 2.23年度の研究では、これを更に進展させ、特に(2)の時期を中心に会議各回の資料の分析及び関係者へのインタビュー調査を行った。 上記(2)の時期においては、「小学校低学年教育問題懇談会」(後に「小学校低学年の教育に関する調査研究協力者会議」と改称)が昭和59年7月の発足以来15回にわたって開催されるとともに、その過程においてワーキンググループを設けて新教科の指導計画についての具体的な検討が行われている。同懇談会の各回の資料の分析により、同懇談会の運営状況やおよその議論の過程を明らかにすることができた。同懇談会において我が国や外国の小学校低学年教育に関する研究や実践についての幅広い検討を積み重ねることにより、昭和61年7月に小学校低学年の教科構成等の改善の視点や在り方、配慮点などが導出されている。 また、資料の分析や関係者へのインタビュー調査から、新教科の内容構成の具体的な視点が出現するのは、(3)の時期であることを新たに明らかにすることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的である生活科の形成過程を明らかにする上で重要な鍵となる、新教科の内容構成の視点のおよその検討時期や経緯について見通しをもつことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
生活科の形成過程について網羅的に分析すれば膨大な作業になり相当な時間を要する。上記のように、新教科の内容構成の視点などの鍵になる事項に焦点化して効果的に会議資料の分析やインタビュー調査を進めていく。
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