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2010 Fiscal Year Annual Research Report

地域に残る口承文化の教材化にかかわる研究

Research Project

Project/Area Number 22531018
Research InstitutionShinshu University

Principal Investigator

小山 茂喜  信州大学, 全学教育機構, 教授 (10452145)

Keywords教育学 / 民俗学 / 教材開発
Research Abstract

口承文化が学校教育でどのように扱われているかを探るために、長野県社会科教育研究会ならびに長野県小中学校長会の協力のもと、授業実践について長野県内の公立小中学校578校にアンケート調査を依頼し、約半数の272校から回答を得ることができた。口承文化を授業等で扱いについては、小学校では、話題として取り上げたも含めると、半数近くが扱っていたが、中学校では3割程度であった。未回答校は扱っていないことが予想されることから、口承文化が扱われている比率は低いといえる。また、扱っていない理由でもっとも多かったのが、「地域の口承文化について知らない」で、知らない理由としては、地元出身でないことから、地域(学区域)の情報について疎いということが挙げられていた。続いて、「口承文化の教材開発をしている余裕がない」で、同時に「扱っている時間的な余裕がない」「教科学習等に位置づけられない」としている教員が多く、それら教員の多くが、どのように調べたらよいのかがわからない、資料が身近にないということを挙げている。さらに、学習指導要領で伝統文化の扱いが強調されているが、小中学校合わせて2割弱が、「口承文化を扱う必要性を感じない」としており、学習内容の決定にかかわる教員の意思決定の課題が明らかになった。当初は、国語や社会での扱いが多いと予測したが、授業実践例では圧倒的に理科の気象分野での扱いが多いのが予想外であった。さらに、口承文化が扱いにくい理由として科学的根拠に欠けるという理由が小学校でも中学校でも挙げられており、依然として授業展開のあり方が決められた知識を習得させるという意識が強いことも明らかになった。以上のことから、2年次の研究として、新学習指導要領版の教科書分析も含めて、教科指導での扱い方の具現化を現職教員と探っていくことと、研修のあり方も含めて口承文化の情報を蓄積する仕組み作りのあり方を探っていくことが課題として浮かびあがってきた。なお、調査結果については、信州大学教職教育部の紀要に掲載する予定である。

URL: 

Published: 2012-07-19  

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