2011 Fiscal Year Annual Research Report
英国の学校における人格・価値教育の実施状況に関する研究
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22531027
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Research Institution | Josai University |
Principal Investigator |
新井 浅浩 城西大学, 経営学部, 教授 (80269357)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤森 裕治 信州大学, 教育学部, 教授 (00313817)
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Keywords | 比較教育 / イギリスの教育 / 人格教育 / 価値教育 / 市民性教育 / 宗教教育 / PSHE / 道徳教育 |
Research Abstract |
本研究は、英国の初等・中等学校における人格・価値教育の実施状況を、<市民性><社会性><宗教性>というキーワードによって考察するものである。英国の学校においてはシティズンシップ教育、PSHE(Personal Social Health Education)、宗教教育が、それぞれ独自性と共通性を持ちつつ展開されているが、それらがどのような政策と指針によって示され、また実際の学校において、教師たちによってどのように翻訳され、実践されているかを、三者の連携という観点から解明するものである。研究二年度目である本年度は、平成22年5月に発足した連立政権下の教育政策の行方と、学校の実践現場における実践について、初年度に引き続き文献情報による情報収集とともに、実地調査において確認を行った。実地調査では、平成23年12月に英国に出張し、大学の学術研究者へのインタビュー2件、専門団体における専門家との意見交換1回、初等学校での授業観察および校長へのインタビュー2校、中等学校での授業観察および教員へのインタビュー2校を行った。新政権下における新しいカリキュラム政策の方向性は昨年度に引き続き確定していないが、学校の自由化が一層進められている中で、いわゆる学校の第三者評価による教育の結果・成果重視の方向にあることが確認されている。その評価内容から、基礎的学力とともに精神的・道徳的・社会的・文化的発達に関する価値教育の領域が重視されていく方向にあることを見出している。その際、リテラシー能力の育成を重視することが、子どもの精神的・道徳的・社会的・文化的発達にも寄与することが強調されている。このことは、学校における実践者へのインタビューや授業観察からも見出すことが出来たが、そうした成果が得られたのも、本研究の研究体制の特徴である比較教育を専門とするものと教科教育・授業研究を専門とするものの連携によって研究が進められていることによるものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現地調査は、予定通り順調に進んでいる。ただし、英国における新政権の新しいカリキュラム政策における方針の決定が、予定より遅れていることから、研究の進捗に若干の影響を与えている。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である次年度では、これまでの2年間で現地調査を含めて得られた知見をまとめる。また、その際、不足していると思われるものについて、現地でのフォローアップ調査を行う。以上により得られた成果を内外の学会等で発表する。
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Research Products
(9 results)